2.《ネタバレ》 クリムトとエゴン・シーレを焦点とした作品、というよりも、この二人を出発点として
絵画に音楽、建築に心理学と後半に取り纏めてウィーン黄金時代について語る、といった内容になってます。
鑑賞し終えて思ったのは、とりあえずオーストリア行ってみたい!芸術家たちのゆかりの地を巡ってみたい、てな思いですね。
クリムトとエゴン・シーレ、二人の画風はだいぶ違うように見えますが、エロスや性の解放という点では共通してるみたいです。
セクシュアルなものを描くことにまだまだタブーが強い時代、ありのままに描くことの背景に裸体の写真があったのではという考察が個人的には興味惹かれました。
写実主義が終わって色々な形式が出てくる発端は写真術の登場によるものだと思うのですが、形式的にだけでなく質的にも変容をもたらしてるんだなと。
あとウィーン万博やパリ万博など、洋の東西の出合いがその当時西洋の音楽家や画家たちに多大な影響を与えたことも間違いありません。
だから単に芸術という枠だけでなく、近現代の芸術を語る上ではテクノロジーの発展、都市化、異文化の出会いというファクターを
鑑みることが重要で、そういう意味では本作のように広範に語る必要性というのもまた理解が持てます。