5.《ネタバレ》 この映画の中の台詞で、「未来は決まっている」「正夢」「腕の感覚がない」など、『運命』を示す言葉が出てきます。『運命』とは既に決まっていて、避けようがない。不幸を避けて通れるなら、みんなそうしたい。時間軸が逆で、結果(未来)から始まるのは、今見ているシーン(最初の)は、後のシーンに上書きされる(最初に見たシーンの印象が薄れる)事を利用したものだと思う。最初に絶望的に打ちのめされ、復讐を果たし、カタルシスを得るストレートな作品とは真逆で、これは被害者の身近な人(家族や恋人)に、過去を振り返れば心を癒し、安らぎを得られると言っているんだと思いました。「時はすべてを破壊する」とは、明らかで残酷な事実かもしれないけど、未来から始まるこの映画は、同時に時(過去)は人の心を癒してくれるというメッセージを発しているんじゃないか?起きた結果を『運命』だから、と開き直れるか?自分のした事に責任を持ち、後悔を抱えて生きていくか?まさに人生がそうであるように。映像表現に賛否があるのはよく分かりますが、監督がこの様に表現・構成したこの映画は評価に値するとは思います。 【miki】さん [DVD(字幕)] 6点(2012-08-03 19:30:08) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 カメラワークと進行が特徴的で、面白みがあった。話としては破滅的で、長回しのカメラや徐々に幸せなカップルを描いていくところに悪趣味を感じてひどく不快になった。時間軸を正方向で観ていたら、きっと退屈だっただろうな。話としてはその程度なので。 【afoijw】さん [DVD(字幕)] 6点(2012-08-02 00:46:56) |
3.結構楽しめました。メメントのような謎解きと言うより、最初の警察連行シーンがニュース映像だとしたら、その犯人(消化器で撲殺した人)の背景が後になってわかってくるという、私たちが日常で経験しているのと同じ時間軸で映画が展開されていっているのかなとも思いました。 【かじちゃんパパ】さん 6点(2004-07-12 08:37:44) |
2.《ネタバレ》 監督がメメントからインスパイアーされたとかなんとかいってたけど、これじゃぁパク、、、。こんなタイプの映画が一つの型として確立してもいいとは思うけど、2番煎じなら逆行させる必然性はしっかり欲しい。なかったとはいわないけど、逆行させたいから内容をあとづけしたという印象を受けた。それではやはりパクリの域を抜け出ていないように思う。ただ、必然性が希薄にかんじられたのは、私には、レイプシーンがいわれているほどには残酷に感じられなかったからかもしれません。むしろ人を殺してしまったアレックスの元恋人の方がよっぽどかわいそうに感じてしまったのですが、(あんなに帰りたがってたのに、、、。)私に見る目がないんですかね。全体的には頭でっかちな映画という感想です。でもラストの映像は見ていてちょっと気持ちよかったです。 【コーラL】さん 6点(2004-01-05 20:56:01) |
1.描きたかったことはよくわかる。人生で、ほんの些細な過ちが、大きな悲劇に繋がって、人も神も何もかもが信じられなくなることは、往々にしてあることだと思う。映画のすべてがハッピーエンドでなければならないという法はないし、色調に独特の美学もあった。あの逆まわしは、痛みを想像させる手段としては有効だったと思うし、あの手ブレ映像も、前半は酷く揺れていて、後半は随分落ち着いている事から、マルキュスの精神状態の反映なのかなと思えば納得がいく。だが、エンドロールを最初に持って来たり、キューブリックのポスターを貼ったりしたのは蛇足だ。斬新な(メメントのパクリだといってしまえばそれまでだけど)手法も、微妙なさじ加減がないと、ダサイだけ。またベルッチの非の打ち所のない美貌は、女性が持つ「美」の部分を象徴する様で、シミひとつ見当たらない肉体は、あまりに暗すぎるこの作品を、観賞に堪える映像に仕上げるために不可欠だ。だが相手役がヴァンサン・カセルだと、「露出狂夫婦だねぇ」という感想をついつい持ってしまう。確かにカセルはとても上手い役者さんなんだけど、あの夫婦共演は食傷気味。成功作とは世辞にも言えないが、駄作と言い切るには、なにかえぐられるような痛みを残した存在感だけは立派にあった映画。 【ともとも】さん 6点(2003-12-31 23:28:14) |