8.《ネタバレ》 雰囲気はあるんだけれど、逆に言えば雰囲気しかない映画ですね。いくらなんでもストーリーがなさすぎです。
『因果関係』ってのは、ストーリーに説得力や厚みを持たせるために必要だと思うのですが、この作品にはそれがほとんどありません。
更には必然性に欠ける各種設定がもったいない。何故13人なのか、そして何故13人目が異邦人のイブン・ファラハンでないとダメなのか、その説明は結局ないままラストまで突っ走ります。じゃあ、13人の選別なんかせずに北の民みんなで行けばもっと楽に戦えたんじゃないだろーかと、つい考えてしまいます。
また、脇役好きの私としては、13ウォーリアーズが、目立った見せ場がないまま次々と減っていくのがかなり残念でした。
13人⇒11人⇒7人。あっと言う間に半分に。敵のアジト(洞窟)では、『俺はもうこれ以上走れない』とかいうわけのわからない理由でまた一人減るし。
13人の中で、首領とその右腕みたいな人、主人公のイヴァン、それに加え弓の使い手の人と、2刀流の見張りの人は特徴があって良かったですね。弓の人が砦の攻防であっけなくやられちゃったのは非常に残念です。『弓使い』という特技で、キャラがたっている数少ない一人だったのに。そしてそれ以外の人は、悲壮感を物語に添えるための生贄のような存在。もはやただのやられ役にしか見えなかったのが凄く残念です。選ばれし13人のはずなのに。いや、立候補制でしたけど・・。
それでもホラーアクションの雰囲気が強い中盤は最高に面白いですし、全編通して漂う緊張感と迫力はまずまずのクオリティに仕上がっています。決して駄作ではないんですよね・・。ただこーゆージャンルにしては、盛り上がりに欠ける作品であるのは間違いないでしょう。