1.経済白書に「もはや戦後ではない」と記された昭和31年、しかし子供達の視界の其処彼処に、そして大人達の心の中には確かに戦後があった。いや、そこはまだ終戦さえ迎えていなかったのかもしれない…。個人的に一番のシーンは、喜一がおもむろに「戦友」を歌い出したシーン。ここには思わず笑ってしまったのと同時に、何とも言えない悲しさを感じた。また、藤田弓子が凄い女優だった(過去形でいいのかな?)のにも驚いた。全体としては良作だと思いますが、ノスタルジーを前面に、そしてくどい位に押し出してしまったラストが作品の魅力を減耗してしまったと思う、6点献上。