2.テレビ版でのエッセイ的なお笑いよりもストーリーを中心にして、それにファンタジー的な音楽シーンを織り込んでいる。エッセイでは映画としてはもたないという判断だろう。しかし時間の節約か製作費の節約か、若干お手軽になり、一本の映画としては水っぽくなってしまった。買い物ブギの終わりに出てくるウサギ耳のオッサンに笑ったのと、夜のプラットフォームに明かりがついてうなぎ電車が通過していくとこが良かった(あと「めんこい仔馬」とか、この人の趣味はヒロシの一世代前のもの・さらには友蔵の二世代前のものが影響しているのか、堂々と古くて面白い)。まる子がよそのオネエサンのことばっかり言うんでつまんない実のお姉さんのスケッチなんかが入っているところの目配り。あの絵描きのオネエサンは、著者の青春の分かれ道がダブっているのかも。