10.《ネタバレ》 仮想現実は自分が存在するのか意味を見つける旅だから全然違う。
自分と思い込んでいる固体が他人であるかもしれないという違和感。
こういった世界は不思議を通り越して気持ちが悪い。
最初のほうではタイムトラベルしちゃうので、
これは殺人容疑をかけられた主人公が犯人探しの旅に出る。
過去に旅立つといってもそこは最近のSFですからコンピューターで作られた世界の中。
それでもどこか「ダークシティ」っぽいセンスを感じて嬉しかったのです。
仮想現実とタイムトラベルを掛け合わせた感じで面白いかも?
そう観てたんですが・・
真ん中あたりまでは本当に面白くてこれはこのままいけば、
「ダークシティ」より上を行くかもしれないなぁと。
世界の果ては?と車を飛ばし何もないことに気付き気が狂う。
自分の実態や世界の果てに気がつきという世界は「ダークシティ」そのまま。
ところが個々の覚醒や仮想の世界にもコピーが登場すると、
もう「マトリックス」状態になってしまいます。
マトリックスは非常にわかりやすいからヒットしたのです。
この作品は主人公がどの世界にいるべきか、
実は誰なのかさえうやむやです。
少しずつ判明していってもじゃああの時は?とか、
いちいち確認しようとさえ思わないのです。
なぜならばあまりに唐突に飛びすぎて、
例えれば本体が時代を変え(どれも仮想)あちこちの固体に乗り移る。
しかもその固体はおんなじ俳優が演じているのでつじつまが合わない。
まあバック・トゥ・ザ・フューチャー2のビフもおんなじですが、
あれはタイムトラベルだからまだいい。
しかもどの時代で傷つけられてもなぜか無事なのは変。
マトリックスもスミスは無事だろうてな具合なのか・・
とにかくあちこちのSFを混ぜて急展開に仕上げたような後半は、
アタマが変になるくらいでした。
私には合わない映画だ・・
自分が誰なのか現実はどこなのか、
哲学的な題材なのにそれを感じない。
ただややこしく足早にしただけ。
ただし真ん中あたりまでは正直面白かったので・・
一番不可解なのは、
どうにでも取れる選択眼とか観客の自由とかの問題ではなく、
何が言いたいのかわからない曖昧さを主題にしていること。