5.映画冒頭にテロップが流れる通り、この映画は一般によく知られたアーサー王伝説ではなく、その元ネタと言われるハドリアヌス城壁守備隊長「アルトリウス・カストゥス」の伝承を元に作成された映画(らしい)。
たしかに手垢のついたアーサー王伝説を今さらそのまま映画化するってのも芸がないんで、これはこれでありかな、と。
(日本でもかつて「燃えろアーサー 白馬の王子」という「暴れん坊将軍」のイギリス版みたいなとんでもないアニメがありましたが^^)
伝説のアーサー王ではなく、史実に残る田舎騎士の泥臭い伝記。そう考えると、映画全体を覆う地味で泥臭い雰囲気も納得できるものがあります。
と、ま、それはいいんですが...
皆さんが書かれてるようにこの映画、映画として「ヘタクソ」 ツッコミどころが満載です。
例えば、映画導入部、ランスロットの出立シーンが描かれ、そこで意味深に渡されるお守り。これは映画中で重要な物のはず。
そして「15年後..」のテロップ後、出てくるのは当然大人になったランスロットってのが観客が期待する展開なのに..えっと...これは誰と誰?
そしてランスロットの名前がやっとセリフで出てくるのは実にそれから20分後。
観客はやっとそこで「どうやらこいつがランスロットらしい」と観客が把握できるのです。
意味深だったお守りにいたっては伏線でもなんでもなく1時間以上経過したのちチラッと無意味に出る程度。
その頃には冒頭のエピソードなんか忘れてますってばよ。(しかも忘れてても問題ないという。)
..一事が万事この調子で、とにかくへたくそな構成で、状況や人物の描き方は舌足らず。
おかげで登場人物は区別がつかないし状況もよくわからず、映画を見ている観客の負担はかなりのものです。
...と、文句つけ放題なこの映画ですが、なぜか私はわりとおもしろかったのです。
正直に告白すると「ロードオブザリング1,2」より間違いなく面白かった。
(そもそもあっちの方が状況や登場人物等、もっと区別つかないし)
ブラッカイマー映画は嫌いだし、こんなにだめ映画なのに..なぜか結構面白い。
(決してキーラナイトレイの妖しい戦闘用乳バンドに心を動かされたからではない!)
....私にとっては自分の心の不思議を感じさせてくれる映画でありました。