《改行表示》15.良い評価も悪い評価も与えられる作品であり、鑑賞の度に評価が変動しそうで点数をつけづらいのですが、今のところはどっちつかずの6点とさせていただきます。 古典を原作としていることの弱みがドバっと出た作品であり、現在の目で見ると突飛な展開、薄っぺらな人物描写が気になりました。特に次郎の動きは理解や共感が困難であり、兄嫁に簡単に篭絡させられ、その操り人形となって今の妻を殺そうとする展開などはもう少し説明が欲しいと感じました。そもそも『リア王』を知っていて物語を脳内保管することが可能であり、「うまく換骨奪胎したものだ」という目で見ることができる客層からしか支持されない内容であり、シェイクスピアに馴染みのある欧米で高評価を受け、逆に日本では不評だったという現象にも納得がいきます。 なお、映像の迫力や美しさには素晴らしいものがあり、芸術作品としてはハイレベルです。色分けされた軍勢が織りなすマスゲームの美しさ、本物志向で建てられたオープンセットの説得力、そしてそのオープンセットを豪快に燃やしてしまうという気前の良さなど、画面で起こることすべてに見ごたえがありました。ハリウッドならば中規模作品に分類される予算でここまでの映画を撮りあげた黒澤明の手腕には圧倒的なものがあり、うまくお金を使うことも映画監督の才能のひとつなのだということがよく分かります。 【ザ・チャンバラ】さん [インターネット(字幕)] 6点(2016-11-09 13:11:20) |
14.《ネタバレ》 影武者の手法をそのままにもう一本という感じです。それなりに期待して見たものの、黒澤明の陰りをそこかしこに感じざるを得ませんでした。引きの撮影が多く、人物の表情を読み取れないのが難点ですね。宮崎美子の尊顔を拝むことができません。根津甚八のヅラが不格好にでかいのもいただけません。 【ジャッカルの目】さん [映画館(邦画)] 6点(2010-11-06 22:10:42) |
【Yoshi】さん [DVD(邦画)] 6点(2008-03-28 11:19:49) |
《改行表示》12. そうか、リア王だったのか。深いテーマですね。人間の救いようのない愚かさがよく描かれていました。ところで、ピーターの演技は誰か止める人はいないものなのでしょうか。当然、黒沢監督が良しとしたのだと思いますが、現場にいるスタッフの誰も違和感を感じないとは……、不思議です。もし違和感を感じたとしても監督にそういう発言ができないのだとしたら……。一文字秀虎に通じるものがあるような気もします。 【海牛大夫】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2008-02-09 22:22:57) |
11.正直言って、大殿よりも三兄弟よりも狂阿彌よりも、楓の方が一番インパクトがありました。もう怖い怖い。『蜘蛛巣城』の山田五十鈴以来の衝撃です。本作も『影武者』同様、無駄に長過ぎる気がします。大殿と狂阿彌が歩き回るシーンなんて、もっと削っても良さそうなものだが。 【とかげ12号】さん [DVD(吹替)] 6点(2005-11-20 19:23:57) |
10.初めて見た黒澤明監督のカラー時代劇。白黒時代の「用心棒」や「椿三十郎」、「七人の侍」を既に見ていて、娯楽作を当然のように思い浮かべてたら、なんか重苦しいだけの退屈な作品でさっきあげた三本と同じ人が監督だとはちょっと信じられない作品だった。しかし、合戦シーンは黒澤映画らしいダイナミックな迫力で見ごたえがあるし、楓の方を演じる原田美枝子の激しい演技が強烈に印象に残る。でも、やっぱり黒澤監督の時代劇としてはそんなに好きな作品ではない。本当は4点ぐらいでもいいのだが、さっきも書いたように原田美枝子の演技があまりにすごいので、彼女に2点ほどプラスしておくが、前作の「影武者」のほうが個人的にはこの映画より好きだな。 【イニシャルK】さん [地上波(邦画)] 6点(2005-06-01 18:22:06) 《更新》 |
9.色使いが気に食わない。原色だらけで、まるで小学生が絵の具をそのまま使ったかのような印象を受けてしまう。口の悪い三男が、実は一番まともだったというのは結構好きな点だが、あっさり殺されて終わりってのもどうも・・・。 【のほほん息子】さん 6点(2003-10-31 03:33:24) |
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8.昔、「乱」がリア王を下敷きにしているという情報を知って、クロサワが三人姉妹の映画を作るのかと思って唖然とした記憶があったが、まもなく三人姉妹ではなく、三人息子のドラマと知って納得した(笑)。やはりクロサワは男の世界、ということだろう。ところで内容だが、まず痛感するのはクロサワ・ワールドを十全に表現できる役者が、この頃でも殆どいなくなっていたという事実だ。仲代達也とてこの役柄は必ずしもしっくりしてはいない。そういった事情かドラマ性がなんとなく希薄である。全体にエピソード羅列的で骨太なドラマの展開というわけにはいかない。復讐のために一文字家に嫁ぎ、奸計をもって一族も己が身も滅ぼし尽くす楓の方には、マクベス夫人より、「ニーベルンゲンの歌」(中世ドイツの叙事詩)のヒロイン、クリームヒルトの影が濃いように思われるのだが如何?ドラマの歯切れ悪さを補うかのように映像美は影武者以上のこだわりぶりで、絢爛たる色彩の氾濫だ。この作品からはクロサワ自身の衰えと老年ならではのこだわり、そして今日の芸能界事情といったものが透けて見えるような気がする。 【トコトコ】さん 6点(2003-09-27 11:30:27) (良:1票) |
7.7点でも良いのだが、他人に薦められるか、という基準をみると、6点なのだ。かなりの黒澤映画の信奉者であるが、この作品はいただけない。確かにビジュアルは凄い!が、登場人物に感情移入が出来なかった。救いはピーターと植木と井川であろう、脇役ながら実に魅力的な役を演じてくれた。(エイエイオ~!もう一丁!は最高!)昔の黒澤映画には、こういう役者達がギッチギチにつまっていたものだが……。何回も観たくなるのが黒澤作品だが、本作品を観る時間があったら、「影武者」を観るね。 【すぎさ】さん 6点(2003-07-07 18:03:23) |
6.映像は素晴らしい。様式美の極致である。まあ、設定だとか合戦シーンだとか細部にはツッコミたいところも多いが、その辺は良しとしたい。人によって、好き嫌いは出そうだなぁと思うが、リア王を下敷きにして、こういうモノを創ってしまうのは、日本らしい。仲代は表情に迫力があり、所作が訓練されているので美しく、私は人と調和しない老王をよく演じていると思う。なので、このキャストでオッケーである。個人的には根津氏と隆氏のキャスティングも良かったと思っている。ただ・・・・・・ピーターの演技(と台詞)が過剰気味で、だんだんうざったくなってくる。彼の出演シーンをもう少し減らして、ぴりりと効かせる程度にとどめるべきではなかったか。映像美と相まって、最初は謡曲(能)の舞台を観ているような気分だったのだが、途中から狂言に変わってしまったような、そんな感じがしたからである。謡曲っぽいということは「観るつもりで観ないと、飽きる」ということでもある。 【ルクレツィアの娘】さん 6点(2003-06-05 19:51:11) (良:1票) |
5.仲代達也ってあんまりいい評価されないみたいですが、この当時、私は好きな俳優を聞かれると迷わず仲代達也と答えてました。今、考えるとなんでだろ?って感じですが。 時が経っても印象に残っているのは、戦場で繰り広げられた壮大なマスゲームです。 【じゃん++】さん 6点(2003-06-04 03:38:15) |
4.色彩が美しいし、(赤と黒ってはえますね)スケールも大きいのですが、だからといって話は面白かったかといわれると、うーんどうでしょう? 【あろえりーな】さん 6点(2003-03-28 00:10:52) |
3. ウィリアム・シェークスピアの「リア王」をベースに毛利家の三兄弟をアレンジしたかのような脚本は、舞台を戦国の日本とした以上やむを得ないのかもしれないが…個人的には原作通り娘三姉妹にして欲しかった。84年当時にはもう全盛期の馬力を望むべくもない黒澤演出はひたすらスタイリッシュに走っており、それはそれで良いかもしれないが、矢張り一抹の寂しさを禁じえない。あと、「影武者」の際にも感じたのだが、仲代達矢は確かにウマイのだけど162分もの長丁場を支え切るだけの力量、貫禄といったものが絶望的に欠けている。助演ならグッと光る存在感なんだけどネェ。じゃあ他に誰が、と言われると弱いんだが…うーーーん、「赤ひげ」で訣別した三船敏郎くらいかなぁ?エ、ありきたり?そりゃごもっとも。 【へちょちょ】さん 6点(2003-01-30 12:38:35) |
2.中盤はたるい。後半の合戦シーンは美しい。個人的には、植木等がすきだな。黒沢監督は、もしかしてカラー映画になると面白くないのかな。「影武者」は、「天と地と」といい勝負のおもしろくなさだった。 【syubo】さん 6点(2002-03-06 01:52:57) |
1.「リア王」をモデルにしていると聞けばストーリーは容易に推測できる。スケールの大きさとか衣装とか見所は数多くあると思うが、「羅生門」などを見てきてこれだと何だか期待外れの気がしてならなかった。特にピーター(?)のとぼけた演技が見ていて苦しかった。最後には王様の方が呆けるってオチにもって行きたかったのは分からないでもないが・・・でもラストの血がドバーッは、それまでのうっぷんを晴らしてくれたのでヨシとしてます。 【イマジン】さん 6点(2001-01-31 16:07:52) |