23.《ネタバレ》 例えばアイリス(ケイトウインスレット)が飛行機に乗ったときのシーン、おデブのうるさいおばさん2人に挟まれてげんなりしつつも、未練たらたらに男へのメール返信を打つシーンですが、ここカメラは正面から彼女をアップでとらえています。
普通のラブコメであれば、ここでカメラが徐々に引いていき両隣のおばさん2人がメールをのぞき込んでる姿が映ってひと笑い、ってのがお約束なわけです。
しかしこの映画では、ただメールを打ってるシーンで終わり。
え?両隣のおばさん存在する意味なくない?てか、だったらそもそもこの飛行機のシーン自体いらないじゃん!
おそらくはこの後のアマンダ(キャメロンディアズ)がファーストクラスで移動してるシーンとの対比としてのシーンなんでしょうが、しかしこの2人の生活レベルの差はこの映画においてそれほど重要な意味を持ちません。
ラブコメであれば、ここでお約束のひと笑いをとるべきところでとらない。
つまりこの映画、たまにラブコメなどと語られますが「コメディ要素」はほとんどないわけです。
一方で劇中で描かれる恋模様は結構軽めのテイストのもので、泣きの要素などもありません。
ラブコメの「コメディ」パートは、実はラブ部分の真剣部分への対比、メリハリとして実は重要で、いわゆる「笑いあり涙あり」なんて映画は「コメディ部分」の笑いがあるからこそ「涙」部分が引きたつわけです。
この映画はコメディ要素をほとんど排しているいる一方で恋愛部分の深さもないため「なんかほんわかする恋物語」以上のものになっていません。
上手くコメディパートを作れば相当面白い映画にできたはずで、監督か脚本にセンスがないのが原因でしょうが、かなりもったいない映画だと思います。
それから、映画冒頭ケイトウインスレットの独白から始まるため、ケイトウインスレットがややメインなのかと思いきや、実際に描かれるエピソード比率は、キャメロン7のケイトが3。ケイトパート少なすぎ…
もうちょっとバランスのいい扱いにできなかったんでしょうか?
そんな感じで実に惜しい映画なのですが、後味自体は悪くありません。まぁ悪くないってだけですけどね。
PS.この頃のジュードロウはケンワタナベにそっくりですね…