13.《ネタバレ》 原作を読んでいないのですが、原作から大事な部分をカットしてるのかな?
マイケルの描写がとても薄っぺらいと思います。
ハンナと睦み合うシーンをいくつか削って、マイケルという人物を描いたほうが・・・
マイケルはハンナが文盲であることに法廷中に気付き、自らが学ぶ大学で教授と
話すシーンがありますが、結局何も行動を起こさないまま、ハンナは服役。
大人になったマイケルが法廷に出席するシーンもありますが、何かの伏線かと思いきや、
物語への影響は語られていません。
服役したハンナに向けて、マイケルは自らが朗読したテープを送るのですが、
それに対してハンナから送られた手紙には、さしたる心理描写もないまま返事をしない。
上映前の宣伝に、こうあります。「少年の日の恋が、無償の愛へと変わるまで」
私には、マイケルのとった行動は、
違った判決が出たかもしれなかった裁判に対し、何も行動をしなかったことへの【贖罪】
に近かったように思えます。
マイケルという人物を、ちょっと乱暴に映像化しすぎた感を拭えません。
法廷で驚き苦悩するマイケルと、ハンナが服役してからのマイケルが別人のようです。
ハンナが裁かれる罪、その背景にあるものは、戦争の被害者である方々にしかわからない
壮絶な時代背景があると思います。
しかし、作中で語られる罪について、ハンナを除く看守達が裁判中にとった行動・彼らに対する
法廷内での扱いは、不当に甘いような気がします。
作者の出身・思想は、どの辺りにあるのでしょうか?
ちょっと穿った見方をしてしまいました。