15.《ネタバレ》 本物の人形みたいな、ペ・ドゥナの無機質にも近い透明感。綺麗すぎて切なさが増してしまう。愛を与えるばかりで、与えられることの無かった彼女。最後に見た夢が彼女の望んだ幸福かと思うと、哀しくてやりきれない。純一にはがっかりだ。空気を抜くのはノゾミにとっては死に繋がる恐怖。相手を恐怖に晒してでも快感を得る行為に愛があるとは思えない。こんなの、酷いとしか私には思えず、だから燃えるゴミに出されても同情なんかしない。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2013-09-29 00:20:01) (良:1票) |
14.《ネタバレ》 とにかくぺ・ドゥナの人形のような美しさが完ぺきだった。心をもったと自覚してからの笑顔にはそれほど惹かれないのに、能面のような表情のときの「のぞみ」があまりにも整っていて、この人が空気人形を演じたのは正解だったと思う。 ストーリーは心のどこかで感じている虚無感をうまく扱っていると思った。 空気で満たされる女人形、その人形で満たされる男たち、食物で満たされる女、メイドに満たされる男、警察官にニュースを話すことで満たされる老婆、娘に満たされる父とその娘、卵かけご飯に満たされる男…。何が満たすかの違いだけ。結局は人間も人形もそう変わらない。変わるのは燃えるゴミか燃えないゴミかだけだ。 空気を入れられても満たすことのできない「心」はきっと満ちることはないのだろう。心とはいつまでも欲深いものだ。 【おっちょ】さん [DVD(邦画)] 6点(2010-09-20 12:16:13) (良:1票) |
13.《ネタバレ》 ◆なぜ「こころ」を持ったのだろう?と思いながら見ていました。それはやはり「愛されたから」ゆえ。しかし、「こころ」を持つことは望まれていない。◆登場人物は皆、渇いていて、満たされることを望みながら、実際に潤されることを恐れ逃げている。◆「代用品」で埋めることは、自らに渇きを残す。それは、不満足ではなく、それが実は「安心」なのではないだろうか。◆満たされること、次にくる「失う」ことへの、恐怖。◆彼女の名前「のぞみ」。「代用品」が「代用品」でなくなったとき、登場人物の「望み」が具現化されることにより生じる、悲劇の象徴なのだ。◆ペ・ドゥナの肢体と、ラストシーン・星野真理の横顔。本当に美しかった。 【ハクリキコ】さん [映画館(邦画)] 6点(2009-11-21 00:25:56) (良:1票) |
12.《ネタバレ》 なんだかなあ。ゴミ捨て場見て”キレイ”じゃねーよ、って感じ。 うまいこと絡まってんのかなんなのか、個々にいろいろあって抱えて生きてんのよーってのは分かるんだけど、あまり心に響いてこない。 あれかな、エピソードが中途半端なのかな。 ヒロインは最高だね、ぴったり。人形みたいだし、片言も素晴らしい。 無邪気。裸がエロくないってすごいよなあ。 ARATAもかっこいいね。空気出し入れしていい?はさすがにおいおいって思った。 ヒロインがオナホ自分で出して洗うのもおもしろい。 笑えるところあるし、切ないところもあるし。 でもやっぱお腹噛みちぎっちゃうのはなあ。無邪気ゆえの行為だけども、抵抗できるだろって。 痛いの分かるけどそんな朦朧とするか、いきなりそんなことされてもなあ。展開にびっくり。 なんかこう、腑に落ちない感じ。勝手にハッピーエンドを求めてたからかなあ。 【らんまる】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2014-03-11 22:46:18) |
【黒ネコ】さん [DVD(邦画)] 6点(2013-06-23 11:03:08) |
10.心を持ってしまった空気人形(ペ・ドゥナ)との関わりを通じて、都会に生きる人々の孤独感や虚無感を描いた群像劇。ダッチワイフ版『A.I.』といった感じのストーリーだが、主眼となるテーマはどうやらアイデンティティ・クライシスという奴らしい。「終わりなき日常」がどーたら…とかどっかの社会学者様のご高説が聞こえてきそうなテーマだが、個人的には90年代に散々語り尽くされたトピックを今更蒸し返されている様で最後まで乗り気がしなかった。内容を要約してみても他者からの充足が得られない人間はみんな「カラッポの代用品」だと一方的に決めつけて勝手に悲壮ぶっているだけにしか思えない。そもそもこれだけ生き方が多様化している中で雑多な人々のアイデンティティの問題を押し並べて“コミュニケーション不全”というステレオタイプに収斂させてしまうのは無理がある様な気がする。昨今では若年層を中心に草食系やら絶食系やらといった新人類が台頭してきているらしいが、このまま恋愛や性愛といった生身のコミュニケーションのオワコン化が進んでいけば近い将来、未婚少子化どころか生涯童貞処女という人達さえ珍しくない時代がやってくるのかもしれない。そうなってしまえば前述の社会学者様よろしく劣等感を掻き立てるようなアジテーションをいくら繰り返した所でもはや逆効果にしかならないのは明白である。もっと普通に考えれば孤独や不安が常につきまとうのは人が生きていく上での大前提なのだから、もうそれはそういうものとして正面から見据えて受け入れるしかないように思う。結局の所どう転んでも自分自身の一番の理解者は自分自身でしかない訳で、無縁社会の到来が避けられない以上は各々で孤独を乗りこなすための生き甲斐を模索していくしかない。それは別に恋愛や性愛じゃなくても家族や他人様に迷惑さえかけなければ、趣味だろうが仕事だろうが宗教だろうがイデオロギーだろうが何でも構わないと思う。絶対主義も相対主義もクソもない。もっとシンプルに“自分の好きなもん探してそれを追いかけろ”、それでいいのではないだろうか。色々と身の丈を超えた偉そうな事を書きましたが、皆さんもおっしゃっているペ・ドゥナの脱ぎっぷり(これは日本の女優も見習うべき)と、板尾創路が風呂場で淡々とオナホールを洗うシーンの悲壮感は素晴らしかったです。あと、最後になりましたが是枝監督カンヌ審査員賞受賞おめっとさんでした。 【オルタナ野郎】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2013-05-31 20:51:12) |
9.《ネタバレ》 なんでこんなにも方々で絶賛されているのだろう。いささか自分には受け止めきれないところがあった。ただペ・ドゥナの存在は自分も認めるところではある。彼女の何でもない日常は自分にとっても何でもない日常のはずなのになぜか心に響く。画面の中にありありと生を感じた。彼女の存在感なのか演出の妙なのか。あと、たまにシュールな笑いが取り入れてあって面白かった。特に無垢な彼女の様々な勘違いとその結末。ATARAさんを燃えるゴミに出した時は笑い死ぬかと思った。ARATAさんは蛇にピアスのこともありちょっと最近自分の中で変態キャラが定着しつつあるのだが、もちろん変態キャラを演じるのはとてもうまいんだけど違うキャラも見てみたい気がするwそこは特にマイナスポイントという訳ではなく個人的な感想。最後にこの映画で最も不可解だった点を。ひとつ、レンタルビデオ店長にトイレで抱かれた下りの解釈が分からない。心を持ち人間社会に触れ、なお導いた存在意義が性欲処理の代用品だとは悲しすぎる。それ以外の描写は美しかったのにこのギャップが気持ち悪い。ふたつ、確かに人間はどうしようもない生き物だけど死んだら人形は燃えないゴミ、人間は燃えるゴミ、それしか違いはないんでしょうか。いかにも納得づくの様に描かれてるけどそもそも死んだらゴミという考えは共感とは程遠いなぁ。あとはもう少しストレートに、スッキリ描いてほしかったですね。時間は120分と結構あったが強いエピソードが数える程しか無かったから。脇の存在なども少しメタすぎました。とりあえず言いたいこと(テーマ)と言ってること(映像)のギャップがありすぎて困惑の映画でした。いや、その妙なバランスをある意味良しとするから7点も付けましたが(本当は6.5点)。p.s.誰も知らないは傑作だと思う。あの映画になくてこの映画にあるものは違和感かな。 【liptonton】さん [DVD(邦画)] 6点(2012-11-13 02:03:04) |
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8.《ネタバレ》 私も心を持った空気人形みたいなもん(たまに意味もなく街中ボーっと放浪してるし)。 というか人間なんて皆、心を持った空気人形じゃなかろうか?なんて思ったりもしました。 ペ・ドゥナ以外で演じられそうな女優が一寸思いつかない位のハマり役で、尚且つ成功している作品だと思います。 【ぐうたらパパ】さん [インターネット(字幕)] 6点(2012-10-08 14:04:09) |
7.空気人形の持ち主にこれといったドラマがなかったのが残念。 【次郎丸三郎】さん [DVD(邦画)] 6点(2011-01-03 17:27:52) |
6.『心のすき間を埋める』という哲学的なテーマではあるが、あまりにも非現実的なストーリー(設定)であり、あまり好みではない。 ぺ・ドゥナの演技は素晴らしいと思うけどね。 【あきぴー@武蔵国】さん [DVD(邦画)] 6点(2010-11-23 19:17:24) |
5.ホラー映画でした。「人間生きているだけで価値がある」ってとこでしょうか。ペ・ドゥナが良。 【すたーちゃいるど】さん [DVD(字幕)] 6点(2010-11-13 15:47:28) |
4.悪くない。しかし自分にはあんまり合わず。 あと人にも薦められない。 【虎王】さん [DVD(邦画)] 6点(2010-08-13 00:16:39) |
3.《ネタバレ》 最初は「人形の家」を人形で描く現代版か、と思っていたが、もっと広がって現代人一般の空虚がテーマらしい。心のうつろさ・常に誰かの代理であるむなしさ、みたいなもの。それは何となく分かるんだけど、広がりすぎて焦点を結べなかった印象も残る。周辺の「いろどりの人々」が、ちょっと作者の「ひとり呑み込み」的で、とっ散らかった感じになった。個々をもう少し明晰に描いてくれてもよかったんじゃないか、こっちの集中力が弱かったのかも知れないけど。他人に息を吹き込むことと、ろうそくの火を消すこと(生まれたことを祝うこと)という二つの息吹が重なるラスト。心の空虚を互いに満たし合おう、といったメッセージを読み取れる。青年が何の迷いもなく空気人形を受け入れるとこは感動した(破れの修理)。しかし、ビデオ店の店長(人形であることにも気がつかない)や、もとの持ち主(心を持ったことに戸惑う)との対応の違いに、ファンタジー内のルールがあることはあるらしいが、そこらへんがもひとつクッキリしてくれない、どうもルールを十分呑み込んでないスポーツを観戦しているようなヨソヨソしさが、最後まで残った。空気を注入されてあえぐ、ってのでは『田園に死す』の春川ますみの空気女のほうが先輩、あれもよかったなあ。 【なんのかんの】さん [DVD(邦画)] 6点(2010-08-10 09:56:59) |
2.《ネタバレ》 やっていることは紛れもなく変態ですが是枝監督独特の感性で人肌の温もりを精一杯伝えようとしていたのはよく分かりました。ただ雰囲気が重すぎましたね。直視しかねるようなグロテスクなシーンもありました。 【獅子-平常心】さん [映画館(邦画)] 6点(2009-11-10 00:32:49) |
1.ペ・ドゥナの魅力は十分に伝わります。登場人物が多く、それぞれの背景が語られないまま、関連性を雰囲気で見せていくところがはっきりせず好きではないです。題材の良さに6点。 【noji】さん [映画館(邦画)] 6点(2009-10-04 01:05:38) |