6.《ネタバレ》 ヴァンパイアと人間の人口比とか考えたこともなかったわ。なるほど‟エネルギー源”となる人間が絶滅寸前ともなると吸血鬼側も確かに困ってしまいますね。
吸血鬼といえば月と古城をバックに美女を襲いに単独行動していた中世から何世紀も過ぎるとヴァンパイア社会が出来上がり、血の配給が行われ、コーヒースタンドの商品も血液入り(それがどんどん薄くなっていくという経済破綻の一面もあり)、ニュースでは血液配給量が流される。怪物すら生き辛い世の中になってるとはねえ、と作品設定にまず感心しました。
上司に特効薬の製造をせっつかれ、モラルと仕事の板挟みで悩むイーサン・ホークてのもやけに現代サラリーマン的な描写です。
ヴァンパイアものなのに社会問題提起作品になりつつあるところ、終盤ごろには急展開で血しぶき上げまくりに。それまた豪快にバンバン血が吹き上がって戦争映画かスプラッタものの様相を呈し、懐かしきゴシックホラーとの距離がはるか遠くなった感のあるニューヴァンパイアのお話でした。