4.《ネタバレ》 きちんと内容を理解できていないのかもしれないが、それほど衝撃的な作品とは思わなかったということが正直な感想。
本作に描かれている内容を言葉では上手く表しにくいが、人間(特に女性)の“本質”のようなものを感じ取れればよいのではないかと思う。
三匹の乞食、森に対する恐怖、靴を逆に履かせる行為、ドングリや手についていた変な虫などは理解しようと思えばできるかもしれないが、放って置いても構わないと思う。
そのようなことよりも自分が感じたことは、性と暴力が人間の“本質”ということだ。
自分の赤ちゃんが危ないことに気付いたのにセックスを優先したということか。
そうなると、激しく後悔する理由や自傷行為などの理由が分かり、本能と理性が絡み合ったカオス的な作品となっている。
ただ、人間の“本質”をきちんと描いてくれれば分かりやすい作品になったかと思うが、サタンや虐殺などに触れられるとやや分かりにくくなってしまう。
分かりやすい作品を作っているわけではないので仕方はないが、全体的にまとまり感がないという印象。
好きな作品というわけではなかったが、トリアー監督作品は悲劇的な内容にも関わらず、逆に変な心地よさも感じられる。
心地よさという表現が合っていないかもしれないが、不思議と居心地の悪さはそれほど感じられない。
映像美や音楽の効果ということもあるだろうが、それだけでもないだろう。