6.《ネタバレ》 展開もテンポが良いし、結末がどうなるか気になるし、最後まで釘付けになって見れたのは評価する。
この映画の面白いところはオカルトな話なのに、舞台は人里離れた山奥でもなければ薄暗い廃屋でもなく、都会のど真ん中の高層ビルで、白昼堂々事件が起こり、大勢の人がその現場を見守ってるところだ。ちょっと今までにないオカルト・ホラーと言える。
そこは目新しくてよいのだけれど、結局そのせいで、オカルト・ホラーとしての恐怖を楽しむでもなく、サスペンスにある種明かしの面白さを楽しむでもなく、どちらもない中途半端な作品になっている感は否めない。
最初のナレーションからしてこれはオカルトだよって明示されてるものの、展開としてはサスペンス、またはミステリー的であるから、誰が犯人なのか?どうやって殺したのか?目的は何なのか?がやはり気になってくる。
ところが、結末は要は悪魔がやったと言うわけだから、そういう疑問や謎について作中で一切答はでてこないまま終わる。悪魔という超常的なものがやったんだから何だってできるわけだ。普通なら不可能そうな自ら首を吊ることも、エレベーターを止めることも、そんなことは「悪魔がやったんだから」の一言ですべて説明できてしまう。作る方は楽でいいだろうが、見てる方はつまらない。
で、サスペンス的な面白みにかけるから、じゃあ、ホラーとしてならどうなのか、というと全く怖くはない。
緊迫感、ハラハラ感はあってよかったけども。
ところで、この悪魔さん、悪魔なのに、悪いやつを殺し、悪事を反省したやつは生かすんだなあ。悪魔の所業って言うより、神の使いが罰を与えてるように見えるんだが。