1.森谷司郎監督による加山雄三主演の青春映画。ヒロインが酒井和歌子というのもあってか、翌年からはじまる若大将シリーズ社会人篇のパイロット版と思えなくもないが、若大将シリーズと違ってコメディ色はそれほど強くなく、ある程度のリアリティのある映画になっている。本作では主人公の妹(内藤洋子)が主人公の縁談になると相手にケチをつけまくるというのが若大将シリーズにはない展開で新鮮だった。森谷監督の演出もこの前「動乱」を見たせいか、それとくらべると変に力みがない演出で最後まで安心して見られるホームドラマといった感じの映画に仕上げているのもいい。ヒロインの兄を演じている江原達怡が江口とはまるで違うガラの悪い男を演じていて、最初はだれか分からなかったが、こういうのも若大将シリーズとは違うところでやはり新鮮に感じられる。