2.《ネタバレ》 これまで目にしてきたケネディ暗殺事件関連のものは、その事件の真相を追うというテーマがほとんどでしたので、「事件に関わることを余儀なくされた一般市民」を描いたこの映画、ちょっと斬新でした。
狙撃された大統領は運び込まれるわ、その数日後犯人と目されるオズワルドまで搬送されるわで、パークランド総合病院は前代未聞の大騒ぎだったことでしょう。外来受付はきっとストップしただろうな。大統領側近も大変だ。専用機に棺が入らない。こんなことを想定するわけないだろう、と椅子を外しスペース確保に懸命になる彼らの胸中はいかばかりだったか。
他にも描かれるのは、動画を撮影していたアマチュア・カメラマン、オズワルドの家族ら。昨日まで一市民だったのが、歴史上の大事件に突然向き合うことになり、その日から人生の視点も微妙に変わっていったのだろうなあ。神妙な気持ちになります。
キョーレツな印象を残すのはオズワルドの母ちゃん。弟が犯人(とされている)上、母までああではオズ兄の立ち位置は大変キツイ。心から同情した。
オズワルド埋葬の際、兄が一人で穴を掘るのを見かねてマスコミ関係者らが自らスコップを手に手伝い始める。ここ、ちょっといい場面でありました。