1.《ネタバレ》 ヤク中で破天荒な男はトランペットを持つ時だけ聖人となり、音楽を作る時だけ天才となる。
そんな「ジャズの帝王」の堕落の日々と復帰するまでを描いた作品。しかしまぁ「ホンマかいな」と思わせるギャング映画のようなドンパチに麻薬のやりとり、あの音楽からは想像出来ないマイルスの世界が本作では描かれる。天才ゆえの苦しみと孤独、悲しみ。
まぁ天才が主人公映画では他人とコミュニケーションが取れず孤独になって行くのはよくあるテーマだけど、終盤ここまで堕ちたかと思わせて、若手の奏者に素早く的確にアドバイスをいれるさっきまで同じ人物とは思えない別人のような姿が描かれる。こんなにギャップをハッキリ描かれるとどうしようもない切なさが襲ってきました。
ただ何故最後現代に飛んでしまうのかだけはよくわかりませんでしたけど。
マイルスを演じる監督、軽薄に見えるオビワンもなかなか良いですし、その年代の雰囲気も伝わるミニマルな雰囲気はありつつも良質な音楽映画でした。