4.興行収入98億、配給収入54億の大ヒット作でありながらある種の異様さを漂わせる作品でどうせくだらない映画だろうと侮っていたのですが、これが意外と楽しめましたね。全く人間が画面に映らないのはこれはこれでプリミティブな映画体験で貴重です。坂本龍一が音楽を担当しているからどうしたという感じではありますが(笑)。美しく雄大な自然の中での動物たちの冒険劇はジブリアニメのような雰囲気もあって悪くないですよ、そういえば豚も出てきますしね。確かに動物虐待にはなるのでしょうが、もし人間がやっていたらかなり危険なスタントですのでハラハラドキドキする迫力のあるシーンを作れていると思います。そこには映画を面白くするためなら何だってする昔の活動屋精神のようなものを感じますね。種族の違う動物同士が仲良くするシーンもよく撮れたものだと感心します。ドキュメンタリーではなくやらせという点が評価を下げているのでしょうが、演技のできない動物で劇映画を構成するにはかなりの労苦があったでしょうしむしろその点を評価してもいいのではないでしょうか。まあ実は心温まるファミリー向け映画というよりグァルティエロ・ヤコペッティのような作家と並べて語るべき作品なのかもしれません。