3.『伊豆の踊子』に続く、三浦友和&山口百恵の文芸路線。両者に共通しているのは、原作に「脱ぐ」シーンがある、ってことで、ファンをヤキモキさせるためにわざとそういう小説を選んだんだろう、と勘繰ってしまうのですが。で結局、両者とも、まあよくわからんけどこんなもんでしょ、という仕上がりになってるのですが、それはともかく。
それを「ともかく」で片づけてしまうと、あまり言うことが無くなってしまうのですが、ああ、そういや初井言榮さんって、堀ちえみ版にも出演してましたっけ。いや、それもともかく。
オドオドするばかりで動きに乏しかった『伊豆の踊子』に比べると、今回は三島由紀夫作品、すなわち行動してナンボ。主演ふたりがそれぞれ存在を主張しつつ、動きのある物語展開になってます。ただ、百恵さんは相変わらずイモっぽいですが、その素朴さが、なかなか悪くないですねえ(原作のイメージに近いかどうかはともかく)。しかしここは友和さんの、一本気な若々しさこそが最大の魅力。フンドシ姿も目にまぶしい。
いや、やっぱりMVPは、初井言榮さん、かな。