2.この頃の歴史大作って、セットと衣装にばっかり凝ってて肝心の中身は何もない、というのが多いのですが、何と意外に面白かった。●マーヴィン・ルロイ監督といえば「哀愁」や「心の旅路」を連想してしまいますが、この作品も思いっきりそっち寄りで、もはや史劇作品の皮を被ったメロドラマです。大体、最初のところで、「男が気になった女を何とかして落とそうとする」というだけのために1時間以上もかけています(笑)。そもそもロバート・テイラー自体、色恋(というかほとんど劣情に近い)に悩むロマンス中年にしか見えず、戦場をかいくぐってきた武闘派の軍人にはまったく見えません。●それにしてもデボラ・カー、どんな場面でも、正面のショットではしっかり照明が当たっている。何と美しいこと!