10.旅の地はますます桃源郷の様相を見せてくる。たしかに年寄りばかり、巡回診療とか、その土地の問題点も見せてはいるが、ミツオも松坂慶子も、皆ここに来て癒される。このシリーズの世界が、はっきりと現実と空想に分化し始めている。というか、もう空想でしかこういう地がなくなってしまったってことなんだろう。ミツオは、寅の弟子としての寅的なものと非寅的なものとの間で、シリーズのポイントになった(ミツオが膨らむぶん、マドンナの話がしぼむのは仕方のないことか)。寅との共通点を認めつつ、空想の側から現実の側へ追い返させる。それは山田作品における「青年」の役割りでもある。これはもう寅が完全に空想の側の住人になってしまったってことでもあるんだろう。シリーズの終焉は、主演俳優の病勢に関係なく近づいていたわけだ。御前様の代わりに光本幸子が再登場したりするのも、今思えば、なにやら死期が近づいた人に「走馬灯のように」過去が巡っているようで、縁起がよくなかった。 【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 6点(2010-12-29 12:19:11) (良:1票) |
9.《ネタバレ》 結局何だったのかよく分からないゴクミシリーズも一応完結して、今回は元々あった基本フォーマット(?)に。見ていて思ったのは、やはり寅さんは、「縁側のある家」が似合うということ。この光景の中にいるだけで、すでに別世界が形成されている。●年齢を考えても、今さら寅さんが我を忘れてあれこれにはなりにくいと思うんだけど、それでもつかの間の高松デートを見せてくれたのは、やっぱりファンサービスだったのかな。よく考えると、寅さんがマドンナとサシでデートというのも、実は久しぶりでは?そして最後には、マドンナのとらや(くるまや)訪問というかつての定番締めです。●今回は導入部が象徴するように、満男の社会への入門というのが1つのテーマなのですが、島での満男の労働体験を割と丁寧に追っているのが成功しています。そこからすると、博にはもうちょっと何か見せ場が欲しいところでしたが。一方で、今回は珍しくさくらが「何でも先回りしてしまう鬱陶しいママ」になってしまっていて、こういうさくらはあまり見たくありませんでした。 【Olias】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2021-02-22 00:45:02) |
8.《ネタバレ》 60過ぎの寅さんを見たことがありませんでした。これは、なかなか大変ですね。若い頃の寅さんなら、勝手なヤツだが憎めないでいいけれど、しかし。ワタシもこの頃の博さんと同じくらいの年齢になってしまいましたので、あの複雑な性格の義理の兄の面倒をどう考えたらいいんだと頭を抱えます。虎屋に帰ってきたときの寅さんへの皆さんの声かけが、ケアしているというか、はれ物に触るような感じに見えました。いろんなところで今の社会風俗と違いが目につきましたけど、この頃の方が多様性を受け止めてたようにもみえるのは、寅さんだからっていうバイアスなのでしょうか? 【なたね】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2021-02-21 16:47:06) |
7.寅次郎と満男の関係が、現在独身の自分と 27歳離れた僕の甥っ子を映しているようで実に恐ろしい。 【ケンジ】さん [インターネット(邦画)] 6点(2019-03-18 22:36:04) |
6.島での生活がいい感じで、雰囲気も良い作品になっている。 満男の恋と寅さんの恋と、どちらもそれなりに見応えがあって、純粋に映画としても悪くない。 途中で、釣りバカ日誌の西田敏行が出てきたのは意外。 【simple】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2015-11-21 23:09:17) |
|
5.ここのところ平均点が低いですが、これもあやちゃんとの別れのシーンが切なくてよいです。 そして、ラストシーンでのあやちゃん、よかったね。 寅さんの恋は今回もおまけ。なんか、いよいよ終わるんだなー、という感じになってきました。 |
4.やはり笠智衆がいない『男はつらいよ』は寂しい限りです。 【にじばぶ】さん [ビデオ(邦画)] 6点(2007-10-06 17:39:23) |
3.《ネタバレ》 寅さんがマフラーをしているのが悲しい。演じるのもかなりきついのでしょう。メイクで若く見せているものの、時に渥美清の実年齢よりも「老人」っぽく思えてしまう瞬間も・・・。さて、何故か泉ちゃんへの想いを振り切って真人間(?)になった満男、就職活動に励むがうまくいかず、大学進学を勧めた博にもあたり散らす。そうなんだね、大学にいる間にバブルがはじけてしまい、就職が極端に難しくなっちゃった時代なのよね。案の定、家出する満男。彼を連れ戻そうと駆けつける寅さんを待ち受ける、松坂慶子の魔の手。結局、W恋愛&W失恋というお決まりのパターンだけど、何故か寅さんと満男はお互いに足をひっぱりあっている??? 明らかに松坂慶子側としては明らかに脈ありなのに、寅さんに対し「おじさんが振られた」と言い切る満男。満男も相思相愛なのに、「男はアキラメが肝心」と二人を別れさせる寅さん。互いに邪魔しあう、不思議なコンビだなあ(それとも、合コンなんかではよくある光景か?)。それにしても今回、満男の思考パターンが明らかになった。彼は「チュー」をすると、納得するらしい。泉ちゃんのことも前回でひとまずはアキラメたらしいし、今回の彼女とも、「チュー」さえすれば、憑き物が落ちたように東京へ帰っていく・・・。 【鱗歌】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2007-01-21 08:45:25) |
2.《ネタバレ》 もう、この頃の寅さんは、つまり今回が最後から数えて三番目となるシリーズ第46作ともなると完全に俳優渥美清の身体がおかしいのが見ていて解るのでとても辛い。無理をしているのが解る。今回も話としては満男が中心!就職問題で悩んだ挙句に父親である博と喧嘩して家を出て香川県は高松へと行った満男を連れ戻すべく役目を寅さんがするという話!そこで出会った身体の弱いマドンナ(松坂慶子)とのデートでの二人と全く対照的な満男とのアンバランスさは面白いものの、やはり全体の出来としては普通の感じがしてならない。それなりに楽しめはするものの、どうしても初期の頃の本当にどれもが面白かったこのシリーズを知っているものとしては物足りない。 【青観】さん [映画館(邦画)] 6点(2007-01-14 21:58:23) |
1.《ネタバレ》 前半、というか冒頭の満男の就職のエピソードはとにかく重い、というかやっぱり劇とはいえ他人が試験に落ちた事を知るのもかなり辛いものがありますね。その後はまたいつものように恋し恋されまた振られ~なパターンなんで五男の調子で見ていけます。それにしても満男は泉ちゃんがいるのに良いんでしょうかねぇ(笑)ストーリー中盤にちゃっかり登場する浜ちゃん(?)もまた良い味出してますよ。 |