2.《ネタバレ》 長男が戦争から帰らず、長男に嫁いだ妻がそのまま家に尽くす。
高峰秀子演じるこの未亡人は、次男がひたむきな愛を抱くのもよくわかるほどできた女性。
古き良き日本人女性の理想像といった感じで、今の時代では想像できない。
酒屋を切り盛りしてきた義姉なのに、店をスーパーにするのに邪魔者扱いする家族に抵抗する次男。
このあたり、母や長女らのいやらしさが実に巧みに表現されていた。
日本人の情緒にぴったり合うような成瀬監督の描写が目を引く。
ただ、設定やキャラも含めてちょっと古い感じがして、どっぷり感情移入するまでには至らず。
乱れる女心ということだろうけど、あれでは次男が生殺しのようで気の毒。
加山雄三は中年以降の歌っている若大将のイメージしかなかったけど、ずいぶん印象が違って最初はわからなかった。