2. なんかチェンソーを持った怪人と戦う美少女が居て、その美少女に一目惚れした少年が一緒に戦っていくという中二病全開ストーリー。
時代劇風の格好いいオープニングでいやがおうにもアクションに期待が高まるが、この映画にアクションを期待してはいけない。殆どCGとワイヤーで誤魔化されたそれはアクションと呼べる代物ではないからだ。そもそも、チェンソー男のあの現実感の無さはなんだ。戦う美少女もあんな大男と互角にやりあえるほどの強さは感じられず、両者の戦いに全くリアリティーは無い。
だがそれもそのはず、これはアクション映画ではなく青春映画というに正しい。ツンデレ女子高生に想い寄せる主人公のストレートすぎるアプローチは小っ恥ずかしくもあるが、そこは市原隼人なので違和感なく許せてしまうから不思議だ。その主人公と一緒に生活する友達は芸術志向で、常に絵を描いたり曲を作ったりしているのだが、主人公には何も取り柄がなくテストでも0点をとる落ちこぼれだ。そんな主人公の焦りや葛藤、そして恋を物語は描いていく。
そして、事あるごとに主人公を待ち構えているのがチェーンソー男だ。それは夢幻かもしれない。しかし、それを乗り越えようとする事で少年は一層成長していくのだ。チェーンソー男は誰の人生にも潜んでいるのかもしれない。