2.《ネタバレ》 『ワン・ツー・パンチ』ほどではないですが、これもそこそこ面白い。病気だと勘違いするパターンはよくありますが、それがきっかけで起こるてんやわんやがなかなか笑えました。しかし中盤は、海に飛び込んで金を全部なくすとか、ちょっと強引な展開が目につきました。倍賞美津子とのエピソードも、必要というわけでもありませんし。まああれは、田中邦衛の寅さんのパロディが眼目なんでしょうけど。後半の香典集めあたりは楽しめました。脇役陣では、太地喜和子のワガママ娘が可愛くてよかったです。
しかしこの映画、欽ちゃんを寅さん、二郎さんをマドンナの父親あたりに置き換えれば、そのまま『男はつらいよ』シリーズにもなりそうです。おそらくは松竹の伝統的な喜劇の作法にのっとっているのでしょう。そのためかある種の安心感があります。55号の映画はほかにも見てみたいですね。