忠魂義烈 実録忠臣蔵のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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忠魂義烈 実録忠臣蔵

[チュウコンギレツジツロクチュウシングラ]
1928年上映時間:80分
平均点:6.33 / 10(Review 3人) (点数分布表示)
公開開始日(1928-03-14)
サイレント時代劇モノクロ映画歴史もの
新規登録(2009-03-23)【にじばぶ】さん
タイトル情報更新(2023-09-10)【イニシャルK】さん
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監督牧野省三(クレジット:マキノ省三)
マキノ雅弘(再編集版監修)
キャスト月形龍之介(男優)清水一角
片岡千恵蔵(男優)お目附服部一郎右衛門
杉狂児(男優)忠婢 拳固のお源
マキノ正博(男優)大石主税良金
山本礼三郎(男優)梶川与惣兵衛/堀部安兵衛武庸
荒木忍(男優)吉良間者 前野平内
若松文男(男優)お目附 岡田伝八郎/吉田忠左衛門
嵐寛寿郎(男優)寺坂吉右衛門信行(クレジット:嵐長三郎)
天野刃一(男優)大高源吾忠雄/萱野三平
小金井勝(男優)間十次郎光興
玉木潤一郎(男優)具足屋為五郎
環歌子(女優)浅野後室瑤泉院(クレジット:玉木悦子)
松浦築枝(女優)浮橋太夫
岡島艶子(女優)三平の新妻露野
脚本山上伊太郎
製作総指揮牧野省三(総指揮)(クレジット:マキノ省三)
その他IMAGICA(再編集版現像)
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1.《ネタバレ》  赤穂浪士が「赤穂義士」であった時代の作品、って感じですね。
 1910年代から1920年代に掛けて、幾つも制作された「実録忠臣蔵」の中の一本であり、自分が観た中でも最古の忠臣蔵映画となります。

 そんな訳で、近年の作に比すると捻った部分が少なく、忠臣蔵という題材を直球で描いてる感じなのが、逆に新鮮。
 最近では「彼らには彼らなりの言い分がある」とされがちな吉良上野介も、大野九郎兵衛も、本作では単純な悪役でしかないですからね。
 この辺りは(悪役を悪役として、真っ正直に描けた時代なんだなぁ……)って思えたりして、感慨深かったです。

 特に吉良に関しては、本当に悪し様に描かれており、ここまで来ると一周回って面白い。
 自分が嘘を教えたせいで浅野が遅刻したのに、いざ斬られそうになったら「御役怠慢の其処許を、急に病気と御上を取りなした親切者の吉良上野介を、貴殿は切る気か」「恩義を仇で返される気か、謝罪せられい」と挑発したりするのが、何とも憎たらしくて、いっそ天晴と思えちゃいました。
 自分が観たのは活弁版だったのですが、字幕には無い「鮒侍がっ!」という吉良のお約束台詞が、活弁によって付け足されているのも愉快。

 そもそも物語として「吉良に斬り付けた浅野の方が正義である」って前提にするのが無理がある訳で、その無理を通す為には、吉良はこのくらい徹底した悪役じゃないと、説得力が無いんですよね。
 自分は、どちらかといえば「吉良は被害者であり、赤穂浪士は逆恨みした犯罪者でしかない」という視点の忠臣蔵の方が、好みだったりする訳ですが……
 こういう前時代的な「赤穂義士」を描いた作品にも、確かな王道の魅力があるよなと、しみじみ感じ入りました。

 それと、本作は当時の基準で言えば「前後編に分けた大作」なんだけど、現代の観点からすると「一時間ほどで完結する忠臣蔵映画って、珍しい」ってなるのが、新鮮な感じでしたね。
 何時間も掛けて描かれるのが当たり前な忠臣蔵の物語が、僅か一時間で終わってしまう訳だけど、その中でも結構な尺を取って「大石の芸者遊び」が描かれているのも、これまた興味深い。
 やはり忠臣蔵を描く上で、そこは絶対外せないんだなって感心しちゃったし、重苦しい場面が続く中での「箸休め」としての効果が大きいんだと、映画を通して教えてもらったような気分になりました。

 ちなみに、本作は舞台裏でのゴタゴタが多く、火災でフィルムが消失してしまったり、討ち入りの場面は「間者」という同年公開の映画からの流用だったり、主演俳優は横柄な態度で監督を困らせたり、かと思えば監督は監督で片岡千恵蔵に不義理を働いたりで(「判官やらせたる」と内匠頭役をチラつかせて舞台から映画に引き抜いておきながら、実際は端役しか与えず、悔しさの余り千恵蔵は引退を考えた)色んな意味で問題作だったりするんですよね。
 幸い、映画を観賞中の自分には、それらの製作背景は影響を与えず、精々
(討ち入りの場面、ちょっと浮いてるな……山場だから気合を入れて空回りしたのかな?)
 って思う程度で済んだのですが、そんな問題作に限って、こうして映画史に名が残り、百年近くを経ても鑑賞出来る品になったのだと思えば、何とも感慨深いです。

 冒頭で挙げた、幾つもの「実録忠臣蔵」(1910年、1914年、1918年、1920年、1921年、1922年、1923年、1926年)の内、今でも気軽に観られるのは本作だけのはずですし……
 案外、不幸な生い立ちながらも結果的には恵まれた、幸せな映画なのかも知れません。
ゆきさん [インターネット(邦画)] 6点(2023-05-16 07:12:21)
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【点数情報】

Review人数 3人
平均点数 6.33点
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
4133.33%
500.00%
6133.33%
700.00%
800.00%
9133.33%
1000.00%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 9.00点 Review1人
2 ストーリー評価 9.00点 Review1人
3 鑑賞後の後味 9.00点 Review1人
4 音楽評価 9.00点 Review1人
5 感泣評価 9.00点 Review1人
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