1.内容は2時間枠のテレビドラマみたい(と思ったらテレビでもやってたみたい)なのに映画を見たという満足感を得ることができた。濃厚なラブシーンがあるからではない。和服姿の小西真奈美が滅法綺麗だからでもない。いやそれもあるかもしれない。ひとつひとつの画を綺麗に撮る。ひとつひとつの画にこだわりを持つ。そういったことの積み重ねが映画としての強さを滲ませていたのかもしれない。それと台詞。丹波篠山の塾講師が上京する。過去に東京にいたらしい。そこで何かあったらしい。そういったことが徐々に明らかにされてゆくのだが、仲村トオルと小西真奈美の関係も含めて本当に「徐々に」で、誰かが台詞で一気に説明しちゃうなんてことはない。台詞で説明してるんだけどまどろっこしいくらいに小出しなのだ。小西が仲村を「コインランドリーに連れてゆこうとする」から「自宅に入れる」「言い争い」「ラブシーン」の流れも実にさりげない台詞でもって繋げている。クライマックスで過去と現在が混在するシーンがあるんだけど、あそこ、いいなあ。もうちょっと見てたかったけど、あれぐらいがちょうどいいのだろう。回想シーンは中途半端な気がする。黒豆に繋がる丹波篠山シーンはともかく、妙にサスペンスを煽る少女のシーンとか全く無いほうがいいような気がした。