31.《ネタバレ》 物語としては悲恋、か。 NHKスペシャルで声を庵野に決めるシーン、あれは爆笑した。 パヤオ以外誰も納得してないけど、ノーとは言えないふいんきってやつで。 てなわけで庵野の声は全然悪くないです。 こういう声のやつおる。 誰かが言ってたが、一番の難点は、へたくそだから主演にしたのに映画の最後のほうは若干うまくなってることか。 物語の筋としては、やや美化され過ぎてはいても美しくもはかないいい作品だと思う。 「まんが」としてあまりにサナトリウムとかヒロインとかがきれいに描かれ過ぎてるのが難だが、 このあたりを汚く見せては主軸がぶれるってやつなので。 で、本編自体は8点あげてもいいんだけれど、 どうしようもなく、「音」が悪い、効果音が全て人の声でそれが非常に不快。 特に関東大震災のシーンの声の演技がゴミ。 控えめに言ってゴミ。 まともなSE版を出してほしいところ。 この点で2点減点。 パヤオは、大作でこういう実験をやってしまうのが痛い。 【にんじん】さん [地上波(邦画)] 6点(2022-09-11 23:15:10) |
30.時間に制約はあるが、夢は自由だ。生き方も自由だ。 貧困にあえぐ日本を目の当りにしながらも、莫大なお金をかけて、ゼロ戦を開発する。病に侵されていながら治療より、愛する人と一緒に過ごすこと優先する。 使命や愛を貫く姿は美しいが、見方を変えれば、周囲のことを考えない傲慢な姿だ。その傲慢さを本人たちもわかっている。矛盾を抱え、葛藤の中で、自分の信じる道を進む。それはどんなに苦しいことか。どれだけ強い信念を必要とするか。 今、自分の使命の傲慢さと向き合い、苦しみ、自身の道を切り開く人はどれだけいるのだろう。 平和で医学も発達して一定の安定を保障されている中、私は毎日働き、眠りにつき、そしてまた朝になれば会社にいく。自分の使命が何かを問うこともしなければ、自分の夢どころか、欲望を満たすことも考えない日々だ。自分と向き合うこともしないくせに、一般的な倫理感という意思のない価値観で、他人の生き方を批判することはできる。 矛盾のない生き方など存在しない。だからこそ、自由に自分の生き方を貫くべきなのだ。その傲慢さにもがきながらも、自身の生き方を全うしたいと思わせてくれる映画であった。 【うらわっこ】さん [映画館(邦画)] 6点(2021-12-23 21:13:57) (良:1票) |
29.今更ながらTVで視聴。 宮崎駿は「見せたい映画」から、自分で「見たい映画」を作る人になってしまいました。 年をとるとみんな、自分のことを語りたくなっちゃうもんなんですね。 結婚したんだから、最後まで一緒にいてあげようよ。それが夫婦ってもんでしょ。 【木村一号】さん [地上波(邦画)] 6点(2021-08-29 17:59:05) |
28.宮崎駿監督による宮崎駿のための映画な感じでした。 もちろんそれに同調する方もいるでしょう。 私は監督の作る映画の時代背景と映像は好きです。 ストーリーは毎回ハマれず今作も、、、。 【movie海馬】さん [地上波(邦画)] 6点(2021-08-28 23:49:17) |
27.《ネタバレ》 一度夫婦となったのであれば、血を吐いて死ぬところまで一緒に、と思うのが人情。 きれいなところだけを切り取ってあえてキレイゴトにしているところに、奇妙な物悲しさを感じた。 堀辰雄を再読してみるか・・・ 【チェブ大王】さん [地上波(邦画)] 6点(2019-05-06 23:00:54) |
26.《ネタバレ》 兵器オタクと左翼的平和主義思想の監督の最終作。話は矛盾しているとも思うが、画面で最後までみせる。可もなく不可もなく。 【にけ】さん [映画館(邦画)] 6点(2019-01-04 22:29:52) |
25.《ネタバレ》 なんとも評価に困る作品である。 戦中の日本をリアルに切り取る訳でもなく、ラブストーリーをたっぷりやるわけでもない。 ただ戦中で、そこで夢を志した男がいずれ来る悲しみを知りつつ恋をし、大好きな飛行機を作り、生きて行く。それだけのようにも見える。 もちろん主人公は宮崎駿自身であり、本作はまるで彼の夢である。だから自分と同じ位置に身を置く男、庵野秀明に声優を任せたのであろう。 理想の女性。好きな時代。大好きな飛行機。それをこれでもかと詰め込んだような作品だ。 にしてもやはりアニメーションは凄い。夢の中の摩訶不思議な風景に飛行機描写、それに関東大震災で逃げ惑う大勢の人々などさすがジブリと唸らせられます。 【えすえふ】さん [ブルーレイ(邦画)] 6点(2017-09-15 23:56:46) |
24.わたしは人間と人間の手足頭脳の延長としてのメカとの関係を描いた作品(例えば「アポロ13号」や「ハドソン河の奇蹟」)に高得点をつけることにしていますが、堀辰雄のセンチメンタルな私小説と同じタイトルのせいでずっとこの作品は恋愛物だとばかり思い込み、長らく鑑賞をサボっていました。あるきっかけで零戦戦闘機というメカを追求した技術者の話だと知って即レンタルしましたが、やはりタイトルに沿った恋愛の脚色が邪魔に感じられました。実際の堀越二郎は作品の中の同姓同名の人物と違って愛妻との間に多くの子宝に恵まれ、戦前には貴族にも列せられて公私ともに恵まれた人生を送ったようですが、ただ一点、心血を注いで作った零戦戦闘機が特攻隊の若者を乗せて敵の軍艦を百発百中で撃沈する道具に使われ、つまり破壊されることが目的で使用されてしまったという、実際の堀越二郎がおそらく抱いていたのに違いないやり場のない怒りや悔いを恋愛抜きでもっと掘り下げて描いてくれていれば良かったのに、と思います。 【かわまり】さん [DVD(邦画)] 6点(2016-10-13 01:31:01) |
23.度々挟まれる夢のシーンはいらないかな? フィクションなのはわかるけど、もう少し主人公のドラマが見たかった。 でもやはり人が死ぬのを見るのは悲しいな。 【miso】さん [地上波(邦画)] 6点(2015-03-13 19:23:28) (良:1票) |
22.あまり心に響かないけど監督の思いは伝わってくるような気がする。 【マンデーサイレンス】さん [地上波(邦画)] 6点(2015-02-21 19:20:39) |
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21.《ネタバレ》 言ってしまえば病死離別ものだが、めったに恋愛映画など見ない自分には、そういうものの耐性がないというか、我ながら純真なのか、菜穂子と二郎の物語には落涙させられた。 また、一人の青年が夢を実現するにあたって、時代の風に乗らなくては術はない不運。今もそんなに変わらないのかもしれないが、戦争・軍都と結びついた夢は、呪われた夢だったのだろう。それでもそれに突き進んでゆく青年の情熱というものは、見ていてホント爽やかな気持ちになる。 ところで最初、なぜこの恋愛物語と、飛行機設計家の物語を繋げたのだろうと思っていたが、繋がりは「風」。少年と少女を出会わせた風と、青年の夢を羽ばたかせた風、それらを押し流した世の中の風、これらを清濁併せて描写するというのが、本作のテーマなのかもしれない。 しかし、やっぱりたおやかな情愛の物語と、空へのあこがれを結実する青年の話は、別々に見たかったというのがホンネ。 【Tolbie】さん [DVD(邦画)] 6点(2014-07-13 01:14:27) |
20.《ネタバレ》 ジャンニ・カプローニ伯爵との夢での邂逅を交えつつ、飛行機へのあこがれを膨らませていく前半が好き。中盤から再開される、菜穂子との物語。過剰なセンチメンタル。何故、堀越次郎と堀辰雄をいっしょにしようと思ったんだろう。何故か観てはいけないものを観てしまったような気がしていますが、このことが、つまり作品としてどうだったのかは、今後考えていきたい。ただ単に、物語をこじらせているだけじゃないような佇まいがあるんだ。 【なたね】さん [DVD(邦画)] 6点(2014-06-30 18:52:14) |
19.《ネタバレ》 少年時代の二郎が夢を見ているところから物語は始まる。飛行機のエンジンをかけると、硬いものであるはずのエンジンがまるで生き物のようにうねうねと動く。そう、これが宮崎アニメだ!心躍りながら鑑賞する。二郎が妄想の中でカプローニの世界に行き、また戻ってくる一連のシーンは、その映像センスが実に格好よいし、たぶん本作は「風」を描くことにこだわったんだと思う。「ポニョ」が海をはじめとする水の動きにこだわっていたとしたら、これは風。いたるところで風が吹いてるし、そして飛行機が飛んでる。上に下に斜めに、近づいたり飛び去ったり。宮崎監督、飛行機好きなんだな~ってのが伝わってくる。ただ、鑑賞していて内容的には色々と考え込んじゃうところもある。まず間違いなく、ちびっこ達はこの作品を楽しめない。ジブリを見にいって、退屈して帰っていった多くの子供達が目に浮かぶ。では大人のための映画かというと、全体的な雰囲気としてある種夢想的であり、震災とか戦争の生々しさを描くようなことはしない。夫婦の描写にしても、接吻などはあるにしてももの凄くさっぱりした描き方なんですよね。そういうスタンスを、潔いととるか、中途半端ととるかで評価は変わると思う。でも、生きなきゃ駄目だ、ていうそのメッセージはそれなりに伝わってきた。 押し付けがましく主張するのでなく、夢中になることの素晴らしさをそのまま描いて、それで生きることを伝えようとした、そんな印象です。 【あろえりーな】さん [ブルーレイ(邦画)] 6点(2014-06-24 22:22:45) |
18. 飛行機に興味があって尚且つ宮崎駿の熱狂的ファンならば楽しめる作品だと思いますよ。 そのどちらでもない単なるミーハーなジブリ好きの私には、そこそこ面白い作品でしたがもう一度観たいかと言われればNOなのでこんな点数です。 序盤は夢落ちだらけで、ああこれは実在の人物に宮崎駿の脳内をMIXしたファンタジーなのだなと思って興ざめしていたのだが、後半に進むにつれシリアスな展開で段々と引き込まれました。主人公が女の子と紙飛行機でキャッチボールするシーンが秀逸。束の間のこういう何気ない和む場面は大好き。 【ヴレア】さん [DVD(邦画)] 6点(2014-06-23 22:49:01) |
17.《ネタバレ》 このところ、仕事中にぼーっと考えていた(仕事自体はルーチンワークなもので)事を幾つかの作品に分けて文章化しようかと。なのでこの作品については全面改稿します。 『風立ちぬ』にはジブリ作品としては初?、暗喩でなく明確にセックスを描いた初夜のシーンがありますが、思わず苦笑してしまったアレは絵として『風の谷のナウシカ』でテトを守るためにナウシカが胸を開いて中に導くシーンと全く同じなわけで。 つまりあそこはエロティシズムとは無縁の子を守る母の視点、「ここに来てお母ちゃんのおっぱいを吸いなさい」って事で。 宮崎アニメの女性像は明確に2つに分類されます。少女と母。男が守るのは常に少女の方で、その男を内包するのが母の役割。 そして、母ポジションのキャラはいつもおっぱいが大きく描かれてます(モンスリーとかクラリスとかナウシカとかドーラとかオソノさんとかエボシ御前とか。ちなみに悠子とかリサとかの母親失格な母親キャラのおっぱいは小さく描かれてるんです)。もちろん、少女から母へと役割を転じてゆく『ハウルの動く城』のソフィーのように両者の間に存在するキャラもおりますが。 毎度ロリコンとマザコンを明確に打ち出す宮崎アニメの潔さ(笑) 男は外では常に夢を追い、だけど家に帰ったらママの大きな胸に抱かれて眠りたい、今回の映画はそういう願望の集大成ってところでしょうかねぇ。なので、ゼロ戦がどうの、戦争がどうのではなくて、もっとそれ以前の話。普遍的なようでミニマムかな。 それが宮崎アニメの魅力なのかもしれないですし、そしてそれを頂点とする今の日本のアニメの限界。 よくアニメファンは海外アニメを見て「外国人は萌えが判ってない」とか言いますけど、盲目的にソコに停滞しちゃってる童貞臭漂わせた状態が正しいとでもいうのでしょうかねぇ? 【あにやん🌈】さん [映画館(邦画)] 6点(2014-02-19 21:33:59) |
16.ジブリで観たかったかどうかと聴かれるとちょっと違うんですが、ジブリじゃなかったら観ないからなー。結局ユーミンが全て持って行った印象ですが、いい余韻の映画でした。 【なこちん】さん [映画館(邦画)] 6点(2014-02-17 02:18:58) |
15.宮崎駿にとって本作は引退を決意できるほどの最高傑作なのか・・。私にはそう思えない。どちらかといえば映画としての素晴らしさとは別に、そこには非常に私的な感情が入り混じっているように感じる。 別に私的な感情を作品に込めることを否定しているわけではない。ある意味ではそれはあらゆる芸術作品にとってとても重要なことだからだ。しかしこの映画に込められた私的感情は少し方向性が違うようだ。上手く説明はできないが、ただの好き嫌いにも似た感情のように私には思える。そんな感情を込めても映画は良くならない。もしかすると、風立ちぬは映画監督宮崎駿にとっての最後のわがままだったのかもしれない。 それにしても、声優だけは看過できない。誰もが衝撃を受けた庵野秀明の主役声優での起用を、私は宮崎監督のことだから、きちんとした理由があるのだろうと肯定的にとらえていたが、実際に視聴してみると違和感しか無い。いちいち声が気になって物語に集中できない。主人公がしゃべる度に庵野の顔が浮かぶ。これだけで-1点。宮崎監督本人の口からぜひ起用理由を聞いてみたい。 【ばかぽん】さん [映画館(邦画)] 6点(2013-12-24 04:40:34) |
14.まず主人公の魅力が乏しいという、その時点で作品に入り込めませんでした。 設計者であり、いわゆる「飛行機おたく」ゆえにあれが個性といえば個性なのだと思いますが、少なくとも魅力は感じませんでした。 また、ストーリーが淡々と進んでいき、印象的なシーンに欠けたと思います。 冒険はせず幅広い層が楽しめる安心感ある作品といったところではないでしょうか。実際、館内は年配の方がかなり多かったです。 とてもいい雰囲気の作品ではありましたが、宮崎監督の引退作としては物足りなかったです。 興業成績は上々のようですが、引退宣言含め多分にPR効果によるところが大きいと思いました。 見終えたあとは、「最後の作品がこんな感じでいいのか?」という思いと、「ここまでしかできないから引退なのか?」という思いの両方が頭によぎりました。 【午の若丸】さん [映画館(邦画)] 6点(2013-09-12 09:38:00) (良:2票) |
13.《ネタバレ》 近年の宮崎駿監督作としては傑作だとおもいます。宮崎自身がミリタリーマニアでありながら反戦論者であるという矛盾した感情を堀越二郎の姿を使って堀辰雄の作品をベースにアニメをつくり、アニメ・特撮オタであり、アニメーション作家である庵野秀明に演技をさせて出来たのがこの映画で、実は宮崎自身の心境を描いた作品じゃないかな、と思うわけです。但し、これを普通の人に勧められるか?というと、NOという回答しか出せません。事前に、あるいは事後にこいう解説ができる人が周囲にいればいいけど、いない場合は正直、表層的には楽しめるけど、宮崎駿のアニメの奥の深い面白さとかは分からないんじゃないかな?と。また、これまであれだけ子供の為にアニメを作っていた人らしからぬ作品になった事で、只々素晴らしい、とは言えないとおもいます。彼のアニメの良さって先ず子供達に楽しんで貰うって事が最初にあるから、家族で見に行けるという所があると思うのだけど、今作について言えば、完全に子供は置いてけぼりですよね。それを両手放しで喜んで良いのかと思うとやはり疑問が残るわけです。内容的にも少しだけ言わせて貰うと、あの終わり方は堀辰雄の作品風としては正しいのかもしれませんが、堀越二郎の夢で出会うイタリア人航空技師が当初言っていることに対しての堀越自身の回答は見せてないわけで、そこは中途半端になってしまったかな、という気がします。多分、それに対する回答は彼だけの設計では無いですが、YS-11を1カット出すだけで十分に効果があったと思うんですよね。 【奥州亭三景】さん [映画館(邦画)] 6点(2013-09-10 00:25:34) |
12.《ネタバレ》 宮崎駿と半藤一利のインタビューを見て楽しみにして劇場へ。観た感想としては「イマイチ」だった。残念。『エゴイズム』が本作のテーマと感じたー高原病院を抜け出す・自分の設計理想を貫く・結婚を家族を呼ばず勢いで行う・タバコを吸う・高原病院へ戻る、そして「俺たちは人殺しの道具ではなく、美しい飛行機を作るのだ」と「君はピラミッドのある世界とない世界、どちらが好きかね?」。これらの『エゴイズム』へ自分は共感はできても共振できずストーリーの展開に遅さを感じている内に終焉の匂いに気付いた。『エゴイズム』達への総括というか決着が曖昧で「観客が個人の問題として考える」入り口へも到達できた作品ではないのではーという不安定な気分のまま映画から掘り出された。自分には戦前戦中の日本の情景を「比較的」リアルに2013年の今に描写した稀有な映画以上の存在にはならなかった。残念。追記:観ていて思ったのだが二郎は「死期が近づいている」菜穂子を愛した。白血病で白く美しい「死期が近づいている」という設定も含めて菜穂子に惹かれたのだ。病人に対して不謹慎な考えなのかもしれないがそう感じた。しかも菜穂子は自分の事を幼少期から「白馬に乗った王子様」と崇拝もしている。自分にはやや引く設定。これも『エゴイズム』なのか。「生きねば」なのか。 【reitengo】さん [映画館(邦画)] 6点(2013-09-03 13:04:48) (良:1票) |