8.《ネタバレ》 想像していたよりもずっと面白かったですね。
会社を首になり家計は火の車の男が毎日電車で通勤する日常
の中で遭遇した謎の美女から持ち掛けられた非日常的な提案、
一気に引き込まれました。
最初に大きな謎や大掛かりな陰謀を仕掛けておいて、結局真相
はというと、そんなのあり得ないだろう、というような荒唐無稽
なご都合主義的な辻褄合わせて的なもので失望させられることが
多いのですが、この作品はそれなりに筋の通ったお話になってい
ました。最後の落ちも気に入りました。まあ、ジョアンナが主人公
の動向を逐一つかんで電話してくる都合のよさには目をつぶります。
粗を探すとすると、ギターを持った殺し屋と斧で渡り合うのは
いくらなんでもやりすぎ。シュワちゃんの映画じゃないんだか
ら。脱線シーンもそう。アクション映画ではなくサスペンス
映画に徹してもらいたかった。
あと、マーフィーが現れた時点で、もしかしてと思ったのですが
やっぱりな結果でした。重要な役割にはそれなりの役者を配する
必要はあるとは思いますが、ネタバレの危険があります。
ジョアンナ、魅力的でしたね。もし通勤電車で声かけられたら私
ならホイホイ話に乗ってしまいそうです。
それにしてもアメリカの通勤電車はゆったり座れてうらやましい。
この映画の設定は日本の痛勤電車では成立しませんね。
この手のサスペンスは全てを詳細に明らかにしませんが、それなり
に推測すると、【ネタバレ注意】
ジョアンナはフィクサーで、汚職事件の大物首謀者から事件の隠蔽
を請け負った。マーフィーも彼女に使われた駒で、職員殺しを請け負う。
さらに、目撃者と証拠が存在することをFBIの協力者から知らされ、
マイケルの乗る列車で目撃者を消すことを計画。マイケルを首にさせ、
目撃者をマイケルの乗る列車に乗せ(かなり難しい根回しが必要
だろうが)、マイケルに目撃者を探させ見つけたら殺し屋に殺させる
計画だった。さらにこの計画が失敗した時にはプランBとして、列車
を脱線させ証人もろとも乗客全員を抹殺する計画も準備、といった
ところでしょうか。
わざわざマイケルに目撃者探しをさせたのは、彼が常連の乗客を知って
おり、普段乗らない乗客を探しやすいだろうと考えたから。
なぜ最初から脱線させなかったかは、さすがに乗客全員を殺してしまう
と事が大きくなりすぎて、出来れば避けたかった。