3.《ネタバレ》 この映画のような妄想系やシュールレアリズム的な作品を観るたびにいつも思うのですが、感性を試されているとか、フィーリングがマッチするかどうかというよりも、観る側の心の広さ(キャパシティー)を推し量られているような気がして、映画そのものをバッサリ斬るような事が出来ず、面白く感じられずにいる自分に失望してしまったりします。
うんと子供の頃、この人形がこっちを見て自分に話しかけて来たらどうしようとか、この剥製がいきなり動き出したらどうしようとかっていう想像を膨らましていた頃も確かにあったような気がするので、この映画の本質的な部分は何となく理解することは出来たと思います。
面白いなと感じたのが、蛙の長い舌や生肉の質感などの異質な感じを出した描き方なのですが、蛙の舌で蝿を的確に捕らえるところに妙に爽快感を感じてしまったり、普段はまな板の上だとかお店で白いトレイに乗っかっていたりというところしか見たことがない生肉も、撮る人が撮れば全く違ったモノになるんだなぁと、捉え方に凄く個性が出ていて良かったと思います。
また、兎の胸元からおがくずが出てきていたと思ったら、お鍋の中のおがくずをスプーンですくって“補給”していたりして、ストレートというか単純というか、とても素直な発想だな~と思いました。