16.私も最近、「えー今日ってもう木曜日なの? いつの間に・・・」とか言ってるくせに、子供に「今何時?」と聞かれて時計を見ずに勘で答えたら、結構当たってたりすることがあり、これじゃあ、ミック・ダンディと大差ないなあ、と。
というか、これってもしかして、単なる老化現象の一種なんだろうか?
という訳で、お上りさんの主人公が醸し出すカルチャーギャップネタ、というよりはもはや、ヘンなオジサンの天然ボケぶりが、愉快な気分にさせてくれる作品で、アクションだのホラーだのが幅を利かせていた80年代半ばに、なんでこんな得体の知れない映画が話題になってるんだろう、と思ってたけど、後にTV放送で見てみたら、確かにこれがなかなか面白い。憎めない。
ただしTV放送の頃にはすでに2作目が公開された後で、「2作目ではヒーロー気取りらしい」とか(まあ、実際その通りですが)、「ポール・ホーガンは奥さんを捨てて競演女優のもとに走ったらしい」とかいうヤな噂も耳にしてはいたんですけれど、それを差し引いても(?)なかなか面白い。ちょっと憎らしいけど。
アメリカ社会には格差を始めとするさまざまな断絶みたいなものがあって、オーストラリアにはそれが無いのかどうかは知らんけれど、とにかくそういうアメリカ社会に野生児ミックが闖入し、騒動と化学反応を巻き起こす。そして、いやいやアメリカ市民だってやっぱり捨てたもんじゃないよね、というラスト。
まあ、全体的には、どのキャラも表面的な描かれ方で、もう少しくらいは物語に、幅なり、掘り下げなりがあってもいいんじゃないの、というような、一種の物足りなさもあるのですが、とりあえず軽いノリで楽しめる作品、ということで。
そういやシドニーオリンピックの開会式だか閉会式だかに、オーストラリアの誇る著名人がワンサカ登場してきて、ああ、こういう場にはポール・ホーガンが呼ばれるんだなあ、と。すみません、他にはカイリー・ミノーグが出てきたことくらしか覚えてませんけど。