3.「ママハハ・ブギ」や「東京ラブストーリー」など、そういえば若い頃の織田裕二は、こんな無口で朴訥で不器用な役をやっていたなあと、久しぶりにこの映画を見て思い出した。「振り返れば奴がいる」あたりからはすっかり役柄もイメージも変わってしまい、本人にとっては若い頃の役にはやらされ感があったのかもしれないが、自分は若い頃の織田裕二の煮え切らない感じが好きだったので、この映画を見てなんだか懐かしく、嬉しかった。
また、そんな役柄の主人公も、とにかく遊びには貪欲なのが面白い。自分が大人になったのはバブルが終わった頃だったので、その後彼らのような遊び方をすることはなかったし、うらやましいと思ったことはあまりなかったけれど、この映画で出てくるスキューバもヨットも、あるいは「私をスキーに連れてって」の雪山遊びも、みんなそれなりに遊べるようになるまで時間とトレーニングが必要なものばかり。当時の若者のバイタリティはすごいなと思うし、きっとお金や時間と引き換えに得られた「体験」みたいなものの総量が自分達の世代とは違うのかな、と思い、今となってはうらやましい気もした。
ストーリーは残念ながらふざけすぎ。香港マフィアは明らかにやりすぎで、そのあたりも時代の産物なのか残念に感じたが、あの時代の空気感を満喫する意味では、今見ても楽しめると思った。