2.《ネタバレ》 「ゴジラよりガメラ」だった私、怪獣映画好きだったクセに、東宝特撮モノってあちこち穴開き状態で、この映画も日本映画専門チャンネルでの放映で今日初めて見ました。『キングコング対ゴジラ』の続編だと思ってましたが、無関係なんですね。コングのサイズが全然違いますし。
007を意識してたりしますね、コレ。悪の科学者ドクター・フーの秘密基地とか、主役の一人がなんとなくショーン・コネリー似とか、浜美枝が出てるとか、っていうか公開時期が浜美枝がボンドガールを演じた、日本が舞台の『007は二度死ぬ』とひと月差っていう。
物語的にはヘンです。ドクター・フーが北極の放射性物質掘りのために(って岩や土がゴロゴロと掘り出されてたけれど北極に陸地があるって事?)開発した自慢の作メカニコングが故障しちゃって、やっぱ生身のコングの方が役に立つわ、ってコングさらってきて、それもコントロールできないとなると、コングと交流のある女性をさらっちゃえばなんとかなるわ、って、おっちゃん、なんかどんどん脇道に逸れてないか?みたいな。
国連の職員が自衛隊に命令しちゃってたり、島の原住民がたった一人しか登場しなかったり、なんか色々とツッコミどころ満載。
どうにも飛びそうにない重たそうなヘリコプターのデザインとか(轟天といい、スーパーXといい、東宝の伝統芸ではありますが)、どこも見てない目のコングとか、ホリゾント前の演技まんまな東京タワーでの脱出シーンとか(あの角度だと夜景映っていいハズ)、特撮も時代を差し引いても微妙な部分があったりします。
でも、身長20メートルって設定から製作された大きなサイズの数々のミニチュアの造形が素晴らしいんですよね。潜水艦とか船とか街とか東京タワー(さすがに全体ではなく部分ですが)とか。
そして、それにも増して素晴らしい浜美枝。いちいち(物語上、まったく意味もなく)着替えてモダンなファッションの数々を披露してくれます。その美しいこと。その悪女な設定も魅力的ですし。峰不二子みたいな、『Mr.インクレディブル』のミラージュみたいな。それゆえ、最期の扱いは残念でしたが。
浜美枝の美しさをフィルムに記録したという功績だけでも十分に評価されるべき作品なのでした(それだと『惑星大戦争』の浅野ゆう子と同じ評価でしかないですが、ミニチュアの造形で更に加点と)。