1.《ネタバレ》 映画に関するジンクスの一つとして「ゴールデンラズベリー賞を取った映画は、意外と面白い」というものがあるのですが、これもそんな一本。
とはいえ「傑作」と断言出来る程ではなく「意外と面白い」の範疇に止まってしまうのが寂しいですね。
下品なギャグが多いし「おたのしみ箱」やアル・パチーノ(本人役)といったキャラの言動が不自然に感じられるしで、もうちょっと脚本を煮詰めてから映画化した方が良かったんじゃないかなーと思ってしまうのも事実です。
でも、ちゃんと面白かった部分もあって、自分としては結構満足。
マッチョな男性陣が苦労して上げていたバーベルを、ジルが簡単に持ち上げちゃう件なんかは、ベタだけど微笑ましいギャグだったし、本物のジルを女装したジャックと勘違いして胸を触った男が、豪快に殴られちゃう場面なんかも良い。
養子の少年も良い味出していたし、ドン・キホーテに扮したパチーノが風車ならぬ天井のファンを怪物と勘違いして、戦いを挑むシーンも好きですね。
最後は家族愛に着地して、ハッピーエンドで終わってくれるし、後味も爽やか。
「そりゃあ好きだけど、離れている時はもっと好き」
「君を愛しているのは間違いないが、死の間際に気付く愛だ」
等々、心に残る台詞が散りばめられている辺りも良かったです。
それと、自分はクルーズ旅行の描写がお気に入りだったので、あそこをもっと尺を取ってやって欲しかったという想いもあるんですが……まぁ、コレは我が侭というものでしょうか。
欠点を論ったらいくらでもあるんだけど、なんとなく本作に関しては「好きな部分」をメインに語りたくなる。
憎みきれない、愛嬌のある映画でした。