1.《ネタバレ》 一応説明しておくと(第1弾のところでも書いたが)、「短篇.jp」という動画コンテンツの配信サイト(現在は停止中)が運営されていた時期に、新人監督育成の目的で製作されたのが「短篇.jpルーキーズ」である。この第2弾を含めて第3弾まで製作されており、それぞれDVD化もされている。
内容としては監督の違う全6話のオムニバスになっている。以下それぞれにコメント。
【ジャパニーズセラピー】 全否定。
【永遠と10分】 オチ付きの小噺のようで面白い。世の中絶対に正直に言ってはならないことがあるわけだが、この2人は自然体のようで結構だ。新婦はなかなか愛嬌がある。新郎役の深水元基が若い。
【洗濯女】 予告編でヒントが出ているがそれでも意味不明。人物がいなくなったり出たりする、風景の非現実感、昼夜の突然の転換といったあたりは夢を見ているような感覚。宇宙人の夢だったのか。
【ウチの○○知りませんか?】 川崎市多摩区在住の家族の話。ほのぼの系で楽しいが、下世話なもの好きの監督らしく排泄物ネタも出している(犬と女子高生)。ちなみに予告編が非常に端的に内容を語っていて、ほとんどネタバレである。
【たとえば、てるみの場合。】 話の内容と人物の姿をわざと一致させていないようでわかりにくいが、どうやらハッピーエンドだったらしい。心が昔に戻っているのか、また10年も待たなくてよかったはずだという思いもあるか。「開いてる」というのは連続性の表現のようだが可笑しい。
【東京はみだしゲーム】 ラストがありきたりだが感動的でないこともない。弟と話していると地が出て来るようなのはよかった。特に若い女性など、それこそ兄弟とでも会わない限り、東京で(屋外で)方言丸出しでしゃべることもなかっただろう。
第1弾のように共通の登場人物で統一感を出すこともなく、画面サイズも違う小品を寄せ集めた形になっている。自分としてかなり愛着を覚える話もあり、一つだけ無視すれば全体としては見ごたえのあるものになっていた。