2.《ネタバレ》 公開前の情報を見て、少年漫画映画に軍関係を持ってくるのが、イヤで心配だった。実際見てみたら、まあ心配するほど軍国的ではなかったけど。
そういう意味では、劇中で描かれる、「海自も海保も警察も、事件を解明したい気持ちは同じなのだ」という倫理観は、子供向け映画としては一安心だ。
多分、海上自衛隊の協力を得ているため、船に極端な事(沈没しかかるとか、艦の施設が吹き飛ばされるとか)をさせられなかったのだろう、今まであった「大参事」級のスペクタクルは無く、それが却って嘘くさくなくて、私には好感度高かった。
しかし、国家機密の塊のようなイージス艦の機密感が、見ているうちにどんどん薄れて、コナンがいつもの要領で勝手に動き回るのは、御愛嬌で済むのか。衛星通信の件といい、彼はどうも目的のために手段を正当化する癖がある。
最後の蘭ちゃんの捜索について、ほぼ間違いなく腕にあるであろう時計の信号よりも、波に流される名刺を追えっていうコナンの考えは、ちょっと納得できない気がした。それに数も多すぎだ。致命的に痛いのは、おっちゃんが取り出した時の「輝き感」が無さすぎる描写。「あ、あれ鏡面素材なんだ」とあの時分かった。伏線はちゃんと張らないと。