4.《ネタバレ》 馬渕にとって松尾は未来の自分であり、天童は過去の自分である。そして、その逆もまた然りの鏡像関係。
だから馬渕は松尾に叱咤激励され、天童に厳しく当たる。みんな過去の自分が憎くもあり、愛おしくもあるから。
そして夢はバトンタッチされる。シナリオの取材という名の告白を通して、過去の自分に夢を託す。
松尾は馬渕を振り、馬渕は天童を振る。
夢を諦めた者は、夢を追う者に振り向く事はない。夢に振り向いてしまったら、夢を諦められなくなってしまうから。
だから馬渕は振り向かず歩く。それは、天童(過去の自分)に対しての決別でもある。
天童の未来は、また誰かに夢を託すのか自分自身で夢を叶えるのかは分からない。
ただ言える事は、夢をひたむきに真っ直ぐ追う者は眩しく美しい。そして痛々しく、残酷でもある。