1.《ネタバレ》 中学生が考えたような世界の稚気丸出しっぷりは嫌いじゃないです。でも、既視感ある色々なモノを寄せ集めて作り上げました、って、そこから先が見えてきません。
ベースは『マトリックス』と同じで「今の自分は本当の自分じゃない」がスタート地点。そこに『フィフス・エレメント』『砂の惑星』『ジョン・カーター』『銀河鉄道999』『さよなら銀河鉄道999』『不思議の国のアリス』『美女と野獣』『LUCY』『エイリアン2』『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』を混ぜ合わせた、そんな映画。ほぼそれで語れてしまうレベル。その先の、この作品ならではの個性が感じられないのが残念です。
ウォシャウスキー姉弟ならば、もっとスタイリッシュに、もっと独特な映像世界を創造する事ができるんじゃ?と。でも、どっかで見たような映像ばかり。3Dを駆使したアトラクション的映像は良かったのですが、でも、そんなのも既にいっぱいあって。
前半のシカゴ上空でのドッグファイトシーンなど、乗っ取った戦闘機と敵側の戦闘機との区別が上手く映像で伝えられていなくて(左右で対峙するそれぞれの戦闘機の操縦者の向きが同一方向っていうのは明らかなミスとして)、つまり撃墜されない方が主人公機、っていう見分け方になるのは雑です。
そんな、全体的に雑に作られた映画で、ご贔屓ペ・ドゥナ嬢なんかいつどこへ行っちゃったのか判らない状態で消えちゃうし(ちゃんと見てたつもりですが見逃しました?)。
何か1つ、作品の個性となる突き抜けたアクセントがあれば、それだけでもっと面白くなったと思うんですよね。それはキャラの性格でもいいですし、映像の見せ方でもいいですし。今のCG大洪水時代にはどっかで尖らないと。
以前に比べてフェティズムが希薄になっちゃったウォシャウスキー姉弟、なんだかリュック・ベッソン化してる気が。妙にベッソン臭漂う映画ではありました。