2.《ネタバレ》 前作よりはラブコメ臭は控えめか。おかげで作品としてバランスが出たように思います。前作では主に良化委員会vs図書隊という構図だったのが、今回は図書隊の中にも図書隊のあり方に疑問を呈する者が出てくるという、さらにその背後には「未来企画」なる手塚の兄が関わる組織がいて、話は複雑さを増していきます。
まあどんな組織でも一枚岩なんて普通あり得なくて、どれだけ思想が浸透してそうに見える団体でも、末端まで100%完全に教育が行き届いている組織なんて存在しない。多かれ少なかれ、大なり小なり組織と外れた考え方やなんなら反対意見を持つ人も現れる。それは自然なこと。ただ、そういった考えを持つきっかけとなった「未来企画」がやはり描写が薄っぺらい。そうなるとその代表である松坂桃李さん演じる手塚兄もやはり薄っぺらくなってしまう。あれだけムキになってタスクフォース壊滅させようとしたのに、ラストで「無能な奴らを洗脳するのにも飽きた」っていやいや。。。ださっ。
原作は既読なのですがかなり前だったので、恥ずかしながら今回の映画のようなエピソードがあったかどうか覚えておりません。が、おそらく本の方では「未来企画」もそれなりに説得力を持つ組織だったのではないでしょうか。法務省vs文科省の構図にするために図書隊に武力放棄しろと言うのは聞いててあまり意味がわかりませんでした。やはり映画の尺の都合か、本の原作の映画化はどこかで無理が出てくるというか、内容を尺に収めきれない事情がどうしても気になってしまいます。
The Last Missionなので、もう次はないと思いますが、実際もう続編は別にいいですね。あれば見ますけど、くらいのもんです。