3.《ネタバレ》 少年二人は死んじゃったんだな。。。救いようがない悲しいラストだ。
初めの母親視点では、教師側の生徒に寄り添っていない他人事丸出しの態度はあまりにひどく思われた。しかし、教師の視点に代わるとそれは誤解で正しくない・・・となるが、でも実際どうなのか?
母親がモンペで自分の都合の良いようにしか物事を見ていないとしても、担任教師のあの感情のまるでない冷たい態度は観客を大きくミスリードしていないか?おまけに会話の最中に飴玉を食べるとか、そりゃ、ふつう怒るよ。
教師の視点になると、担任教師には普通に感情があり(そらそうだ)、いくらなんでも母親視点で担任教師にあそこまで感情がなく、終始非常識な態度を取られたと感じるだろうか?母親はそこまで異常に見えなかったし、さすがにおかしくないか?
母親、担任教師、校長先生、少年達は自分のターンで都合の良い解釈を語る当事者なので、こちら(観客)としては100%信用することができないから、この場合、第三者の客観的視点での事のあり様が真実であり、それをアンサーとして知りたかった。
そうすると、この物語で足りないのは当事者ではない他の先生方の視点ではないだろうか。
そもそも母子家庭だからモンペだと決めつけて、母親の訴えについて真摯に取り合わず、事実確認をせず、誤解があれば解く努力を初めから放棄している学校側にも十分問題がある。
母親にも問題がないとは言えないが、一人息子のために必死になるのは理解できる範囲であり、なのに最後は母親が怪物として暗示される感じに違和感がある。母親は夫に続いて子供まで亡くしてあまりにも気の毒だ。
「怪物だーれだ」という問いかけだが、みんな問題はある。でも、だからと言って誰も怪物ではないと思う。
また、作品の余白は観客の想像に委ねることも良いが、母親、担任教師、校長先生、少年達、そして同級生についても想像しないといけないほど余白が多いのはちょっと勘弁してほしい。特に、あの作文(あいうえお作文?)を読んで担任教師は何を謝罪したかったのか。ラストにつながる部分だからこそ、ここだけははっきりと提示してもらいたかった。