6.《ネタバレ》 ホラー映画の定番の一つといえば、アホな若者たちがあれこれとやらかして惨劇を招いてしまう...というのがあるけれど、今回のエイリアンはまさにそれだった。思い返してみると正式なエイリアンシリーズでこの展開ってあったっけな~、となるくらいなかった気がする。エイリアンを純粋にホラー映画として捉えた時に、逆になんで今までなかったの?て思えてしまった。そこで今回の監督さんなんだけれども、ドント・プリーズ・シリーズの監督さんだそうで、自分は観てないけれど映画の評判も上々で、つまりホラー映画ならお得意なわけで、だから今までなかったこの設定に着目できたのかも。まあホラー映画の名手だからこそ映画館で観てみたくもなったんですけどね。
とにかくやる事は変わらないわけで、軍人も科学者もマッチョもオタクも出てこない、普通の若者たちがエイリアンに襲われる光景は、まさに王道ホラーのそれだった。
ただ唯一アンドロイドが2体出てくるけどね。1体はまさかの記念すべき1作目のアッシュくんでビックリ!!いや正確にはアッシュくんと同タイプのアンドロイドなのでしょう。 で、ご丁寧にこのアッシュくんがエイリアンの生態についてあれこれとレクチャーしてくれるので、もしもこの作品がエイリアン初見さんでもバッチグーなわけですね。にしても昨今のCGは本当に良く出来てるよな~...本当の役者さんと全然変わらないもんな~...て、てっきりCGかと思っていたらこれ書いたあとに読んだ記事にアニマトロニクスて記載されてた。いやでもアニマトロニクスでもすごいですよ。はい。それともう1体のアンドロイドはアンディくん。ヒロインの死んだ父親が廃品置き場で拾ってきた心優しきアンドロイドで、この彼が結構物語のキーパーソンとなっていく。面白かったのはアッシュくんのロムをアンディくんにセットしてデーターを上書きした時の変貌ぶりは、気弱な表情から凛々しい表情になり、冷静沈着、非情に徹底した行動は見ものだった。
起承転結の目新しさはこれといってなかったけれど、酸の血が無重力の中で漂いその中をくぐり抜けていくシーンはアイデアの勝利。あのシーンは本当に面白かったし目の付け所の良さに感心した。
エイリアンがわんさかと出てくるとどうしても1体を簡単に倒せちゃう武器も出てくるわけで、そうするとエイリアンをすげえ恐怖の対象として見れなくなっちゃうのがもったいない。まあでもアクションとしての面白さは増すんだけどね。ただやっぱりとことん、ホラーテイスト、にはこだわって欲しかった気もします。
最後に、エイリアンのDNAから採取した人類を完璧な存在へと変貌させる謎の液体を注入した妊婦から、エイリアンと人類の混血児が誕生するのだけれども、なんていうかエイリアンの色強すぎるし、それになんで母親を殺すのかも分からなかった。母親との関係性のアイデア出てこなかったのかな~...せっかくの新種なのに行動パターンがまんまエイリアンなのはもったいない。あ!そっか!もし続編あるとしたらこの謎の液体が鍵になってくるわけか。だから凶暴にしておかないといけなかったのか!? なんて続編あるかはわからんけどね。
まあとにかくなんだかんだでやっぱエイリアンは、薄暗くて大スクリーン&大音響の映画館で観るべき作品ですね。はい。