3.音楽に取り付かれ、プレイヤーに憧れ、女の子に恋心を抱く。そんな普通の少年の目を通して、本作では観客にも素直にロマ文化の魅力が伝わってきます。基本ストーリーは確かにオーソドックスですけど、その周りに散りばめられたディティールとジプシー音楽がホントに魅力的。貧しくとも、人が集えば直ぐに即興の演奏会になる彼らの暮らしを、私も少年と同じ様にとても羨ましく感じました。ボーイッシュなスウィングの魅力も相当貢献してますが、この映画の一番の成功は「部外者」を主人公に据えて、押し付けがましさを排除したことだと思います。そういったことで、6点献上。