6.《ネタバレ》 丁寧な演出、という意味では全く衰える事のない成瀬巳喜男監督の遺作。 しかし正直どこか空気が抜けているような印象があります。 この映画における司葉子さんの美しさは非常に希有なものでありますが、加山雄三に惹かれていく過程は自分には見えませんでした。 加山雄三さんの方も、自分が撥ねて殺した人物の妻に恋していく葛藤が感じられず。 ラスト付近の瞬間瞬間の心の機微という部分に共感しがたいといいますか。 それとこんなことわざわざ書くべきではないかもしれませんが、森光子さんが、芝居の中で相手の話を聞いているようには見えず、様子を感じ取っているようには見えず。1人で芝居をしているように思えます。
浦辺粂子さん、加東大介さんはさすがの納得の演技でした。
これはある意味失礼な野暮な想像ですが高峰秀子さんならどう演じただろう、とか考えてしまうのであります。 結果的に成瀬巳喜男監督の最後の作品なわけですからね。
期待値が高すぎたせいか不満が残ります。 【大経師】さん [DVD(邦画)] 6点(2014-08-10 21:22:41) |
5.イケメンは得やなあ~。 【ケンジ】さん [DVD(邦画)] 6点(2011-10-09 18:58:02) |
4.《ネタバレ》 舞台を青森へ移してから、どうも女将を演じる女優が知っている人のはずだけど誰だったか想い出せなかった。そうか森光子!この人を映画で見るのはたぶん初めて。どじょうすくいの芸をしたりして、このころからこういうキャラだったんですね。加山雄三が本音をぶつけてから、司葉子のわだかまりが氷解していく心境の変化のとらえ方は、さすが成瀬巳喜男の手腕だと思います。ラストは予想したほどは乱れませんでした。 【きーとん】さん [DVD(邦画)] 6点(2010-08-05 22:43:21) |
3.《ネタバレ》 司葉子の表情を観る映画でした。まさか、あの二人が恋仲になるようなベタな展開じゃないよな~、と思っていたら、あらあら本当にそうでした。でも、司葉子の眼差しにある冷たい塊りを見ているうちに、どんどんと引き込まれた。恨み、悔しさ、哀しさ、拒絶。司葉子はほとんど目だけでそれらを表現していた。裁判でも過失を問われない事故との判決が出ているんだから、あの視線をぶつけられる加山雄三が可哀想でした。彼女は自分の理不尽さも理解していて、その葛藤も微妙な表情に表れる。酔いにまかせて本音をぶちまけてからは、まるで憑き物が落ちたように表情が和らぎました。この転換が見せ場とも言える。加山雄三の下宿を訪ねて、階段の下から彼を見上げる時の切ない表情は強く印象に残る。そして、最後の別れも理解できます。恨みや憎しみは忘れることが出来ても、深い悲しみが消えるためにはもう少し時間が必要だったようです。でも、悲しみで穿たれた心もいつかは埋まるはず。この二人は、これで終わりではないと思いました。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2010-03-08 22:18:55) |
2.成瀬作品にいつも見られる、ハッとするような瞬間をあまり感じなかったかなぁと個人的には思います。旅館に救急車が来たりするのもちょっと直接的過ぎるし、ラストもらしくないような・・。見ながらついつい『乱れる』と比べてしまったので、どうなる事かと思いましたよ。ここでも加山雄三はパチンコ屋に行ってましたね(パチンコを座ってやるようになったのは何時からなんだろう?)。ただ、プロデューサーの藤本真澄が8ミリで撮影したこの作品のロケ風景を以前見たんですけど、それを思い出してなんだか切なくなりました。司葉子によると藤本は「これが最後の作品かもしれないから」と8ミリフィルムに収めたそうです。「そんな事言ったら怒られますよ。」とその時彼女は言ったらしいけど。 【黒猫クロマティ】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2005-11-22 14:31:06) (良:1票) |
1.浅草東宝のオールナイトで観ました。いやー、泣いた泣いた。作品の内容にじゃなく色褪せたフィルムの保存状態の劣悪さに。音声もところどころ途切れて聞き取れないし。これじゃ内容云々を 語るどころじゃない。東宝さん、これ仮にも成瀬監督の遺作っすよ!若大将加山と司葉子の代表作ですよ!「ロレンス」みたく、可能な限り映像や音声の復元作業とか出来ないですか?美しいテクニカラーで、クライマックスの十和田湖での二人の別れのシーンとか絶対観てみたいっす! |