8.三船敏郎映画出演丁度100本目となる今作を見て改めて思った。三船敏郎は演技で見せる俳優なんかではない。黒澤映画を見ていれば解るがとにかく男臭くて常にギラギラしていて、演技というよりも存在感、眼力で観る者を威圧する圧倒的なそのオーラこそがこの俳優の持ち味であり、大きな魅力であることが解る。今作においてもけして上手いとは言えないが、いや、むしろ下手だがそれを全て許してしまえるほどの圧倒的な存在感、三船敏郎がいるだけで緊張感が漂う。凄いことである。三船敏郎に負けまいとここで出てくる他の俳優陣、特に男優陣のそれぞれの演技力、中でも三國連太郎の上手さはずば抜けており、どの役者をも超えている。この映画の中で三國連太郎が演じている芹沢鴨という男、こういう豪傑な役柄が本当に似合うし、そういう役柄を演じている時の表情がとにかく凄い。「釣りバカ」シリーズでのすーさんしか知らない人がほとんどだとは思うけど、三國連太郎の演技力を眼にすればこの俳優の凄さが知ってもらえるばずである。作品そのものの出来栄えは凄いとは思わないもののとにかく俳優陣が皆、圧倒的な凄みで見せつける。今時、これほどの熱い演技で見せてくれる俳優陣が果たしているか?この二人以外にも小林桂樹と北大路欣也に中村錦之助、田村高廣と男優の演技を見るだけでも観るに値するほどである。三國連太郎と中村錦之助と言うと「宮本武蔵」での共演も印象的であり、この二人がまた共演しているというのも「宮本武蔵」ファンとしては嬉しく思う。男優に比べると女優の存在感はいま一つの中で司葉子が圧倒的な良い。美しさの中に男達を支える優しさを持つ良い女を演じさせるとよく似合う。これを見ちゃうと他の新選組なんてアホらしくて見てらんないぜ!てなっちゃいます。 【青観】さん [DVD(邦画)] 7点(2012-08-14 21:53:54) |
7.《ネタバレ》 新選組の物語を2時間に収めるために、枝葉をズバズバと削ぎ落としてエッセンスだけを残した作品ですが、とても良くまとまっています。エピソードが矢継ぎ早に繋がって行くけれど、最低限の台詞で隊士の個性や人間関係、当時の世情を表そうとしている努力を感じました。そういう意味では、新選組に対して予備知識がある人の方が、端折り方の意図まで吟味できて楽しめる作品になっています。近藤を演じる三船敏郎は流石の存在感で、骨太で実直な人柄が良く出ています。三國連太郎の芹沢鴨は、過去のどの役者より自分の芹沢像に近くで感動モノ。土方の組織論の描写が薄くて、ただの残忍な男に見えてしまうのが惜しかった。このスタッフ・キャストで3部作くらいの構えで製作して欲しかったですね。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2009-11-14 13:37:39) |
6.《ネタバレ》 新選組の推移を追っていくので、やや人物描写が希薄な感じがして藤堂平助などはいなくとも良かった感じがしますが、二時間という短い尺の中で収めるのは難しいので致し方ない事でしょう。そう言う意味では盛者必衰、仲間の死や時代の移り変わりにより近藤勇が苦悩を抱えていく様はよく描かれていたと思います。土方が主役の小説やドラマが多い中、近藤を軸にしている事により真面目で武士道精神あふれる一本気な勇と、鼻にかかるような人物に描かれがちな山南が心優しい人物に描かれていたのは珍しくて良かったです。大河ドラマ「新選組!」の三谷幸喜さんはもしかして本作を参考にしたのではないでしょうかね。似ているキャラクターや設定、場面がけっこうありました。特に親子そろって芹沢鴨を演じた三國連太郎さんと佐藤浩市さんは驚くほど似ています。今まであまり似ているとは思わなかったのですが、やっぱり親子なんですねぇ。山南と河合の死の順番が逆だったり、沖田がまさかの戦死を遂げたりと新説や解釈の違い云々ではなく、ただただ史実と異なる部分があるのは歴史劇としてはどうかと思いますけど、丁寧に作られています。コンパクトにまとめられているので、本作を観るにあたって新選組の経緯を少しは知っていた方がより良いでしょうね。 【ミスター・グレイ】さん [ビデオ(邦画)] 7点(2006-03-23 18:23:51) |
5.最初から結構引き込まれる。かなり濃い映画。同じ頃の「幕末」と雰囲気似てる。三国連太郎が去って、中村賀津雄、中村梅之助、北大路欣也と消えてき最期は三船敏郎。池田屋以降ちょっと退屈だけど、中村錦之助が出てきてからは結構印象残る。終わり方もショッキング。病気のわりにパワフルな沖田も印象強い。 【バカ王子】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2005-09-05 02:02:28) |
4.《ネタバレ》 三船敏郎の近藤勇は風格が漂い、存在感も良い。三国連太郎が芹沢鴨をいかにも胡散臭く演じており、大河ドラマで同じ役を演じた佐藤浩市と見比べるのも面白いだろう。内容は芹沢暗殺から新撰組の結成、近藤が打ち首になるまでの新撰組の歴史が2時間の間にギッシリと詰め込まれ、駆け足ぎみではあるが、最後まで面白く見られる。沖田総司(北大路欣也)が病死するのではなく、カッコよく戦死したのは驚いたけど。 【イニシャルK】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2005-03-26 15:50:55) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 映画の2時間半としては情に篤い男の土方、芹沢、伊東といった剣客との間の友情と離別、古女房(美人過ぎますが)や子供に未練を持ちながら祇園の舞妓との熱烈な恋と矛盾したものを抱え込みながらの統率者としての苦悩する生き方は悲劇とも喜劇とも言えますがうまく描いています。しかし舞妓の身請けのための金の動きとかの説明は不十分で、それで犠牲者が出たことを知った後の態度も少し曖昧過ぎるように思えました。勝の描き方が決して好意的でないのは彼が剣客ではないからの偏見が過ぎるようです。沖田の件は別にしても有馬の描き方は少し史実とは違うように思えますが、死に花を咲かせるためには必要だったのでしょう。 【たいほう】さん 7点(2004-10-08 11:13:10) |
《改行表示》2.三船敏郎に小林桂樹・・・、近藤勇や土方歳三は30歳ぐらいだったと思うのでチョット歳を食い過ぎています。しかし、北大路欣也や三国連太郎は若いですね~。特に当時の三国連太郎は佐藤浩市にソックリ。親子だから当たり前なのですが、役も同じ芹沢鴨ですからビックリですね。 現在NHKの大河ドラマで「新選組!」がやってますが、連続ドラマと比べたら、2時間チョットしか時間が無いのでテンポが速い速い。史実は別にして、新選組がどんな連中だったかが直ぐに分かります。 69年の映画なので、ロケ地なども豊富で(現在は都市化が進んでロケ地も不足している)、リアリティーのある映像を楽しめます。カメラワークも今やってる時代劇と違って上手いし、役者の演技なんて比べ者になりません(かつ舌が良く、モゾモゾ話さないので聞き取りやすいし、頭のわるそうなアイドルが出ていない)。 |
1.早速登録いただきまして本当にありがとうございます。この場を借りまして管理人様にお礼申し上げます。さて作品の内容ですが時代劇のスター達のオンパレードでありそれだけでも観て良かったと思わせてくれます。中でもやはり三船敏郎は輝いていました。ちょっと老けた近藤勇役でしたがそれをも感じさせない独特の雰囲気を彼が出していたのには流石の一言!!沖田総司の戦死など史実とは多少違っていたり、また2時間という枠の中では仕方ない事ですが全体をうまくまとめられていない感もあったりと少し残念な部分もありましたが、核である新撰組の盛衰(個人的ですが)をうまく描いており観て損はない作品でした。 【ゆきむら】さん 7点(2004-10-08 03:01:30) |