《改行表示》9.主人公がイケメンじゃないのが残念(笑) 想像していたのは受け身の主人公が巻き込まれていく形だったが、実際は主人公が積極的に聖歌隊に関わっていき意外だったが、楽しめた。 10人程のメンバーそれぞれの個性・問題を描いているのが良い。少し、比重に偏りがあったのが残念。 |
《改行表示》8.《ネタバレ》 娯楽らしい娯楽も無い小さな小さな村。よって人間関係は非常に濃密。そこにやって来た高名な指揮者ダニエルと村人、聖歌隊との音楽を通した心温まる交流を描いた映画だと思っていたのですが、そのドラマや人物描写は意外にシリアスなものでした。教会や哀れな村の神父の存在もあり、少し宗教色も感じますが難しさはありません。 聖歌隊の多様な顔触れがとても良かった。トーレのような若者も皆から受け入れられ、居場所を得ている。そして気が荒い夫のDVに苦しめられている女。そんな彼女が村のコンサートで生きる喜びを高らかに歌い上げる。エンドロールでも使われる彼女が歌うその歌詞の素晴らしさもあり、印象に残る感動的なシーンとなっています。 ダニエルは体を壊し第一線を退きこの村にやって来た。以降も体調の悪さを感じさせる彼の姿が何度も挿入されるだけに、結末はこういうことになるのではないかと心配していたのですが…。 トーレの発声に端を発し、会場全体が美しい声の輪に包まれるラストは感動的だっただけに、その輪の中心にはダニエルに居てほしかった。それがすごく残念です。 【とらや】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-07-19 20:38:54) |
7.《ネタバレ》 日本の田舎のコミュニティを頭に入れて、この映画のスウェーデンでの田舎を観てみると、なんか非常に違和感を感じるが、色々とそれはそれでありなんだと思うと、べたな映画なりに面白く観られる。最初と最後の場面、エンドロールの曲がなんとも。 【min】さん [DVD(字幕)] 7点(2013-07-05 20:45:17) |
《改行表示》6.《ネタバレ》 本当の自分らしい生き方を見つける感動系のストーリー。 一流の音楽家の指導でどうしようもない素人合唱団が上達していく過程は、ベタだけれど楽しい。 キャラクターもバラエティに富み、偏狭で不自由な人物が特に小憎たらしくよく描けている。 ただ、傑作というにはちょっと何かが足りない感じ。 DV夫が拘置所で妻に涙を見せるのも、説得力が足りないので感情移入できない。 また、主人公がラストで病気で倒れるのも、あざとすぎたかも。 【飛鳥】さん [DVD(吹替)] 7点(2013-02-14 21:20:05) |
《改行表示》5.《ネタバレ》 人とは皆、それぞれ違う考え方を持つ、別々の生命体である。故に他人を解ろうとするが、その考えもその人個人の考えの範疇を絶対に超えられない。人間とはなんと寂しい生き物か。だから人は人とつながりたいと思い、その方法を探し、自分の存在意義を確かめたいのだ。この作品は、歌うという目的を持ったコミュニティーが、歌によって繋がり、そこに皆救いを感じ、人間として生きることの「歓びを歌にのせて」いるのだ。ダニエルがラストに昔のマネージャーへ「夢を実現したと思う」と言う。彼の夢は冒頭で「歌によって人を救う」事だったが、自分も歌によって救われていた事に気付く。そして、人と交わることを恐れていたダニエルはレナを心から愛し救われる。 圧巻のラストは歌っている人々が間違いなく繋がっていた。それこそ天国なのだろう。 作中ダニエルはあまり台詞をしゃべらないが、すべてを俯瞰し許した神の様だった。 |
4.スウェーデン、アメリカ映画。小学校に暮らす元有名指揮者の素朴な日々。 【HRM36】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-03-06 12:39:06) |
3.抑圧されていた感情を吐露する場面には、いつも開放感と妙な爽快感を共感をもって意識するものだ。自己をはっきりと主張して表現するというのはいいことだ。だが、それが行きすぎると困ったことになる。コニーはその例としてあげられるだろう。ガブリエルを自分だけのものにしたいという「主張」が彼女を傷つけ、彼自身さえ破滅に追いやることになる。主張はわがままと紙一重で、安易にはよしとできないかもしれない。それでも、必要なものだとは思う。主張は衝突を生む。衝突は亀裂を作り、溝を作るかもしれないが、新しいものもまた作る。そして後の努力次第でそれらは大きくもなり小さくもなるんじゃないか。彼らはどうだったのだろうか。その後、良い方向へ向かったろうか。 【透き通るBlue】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-10-31 17:33:23) |
2.何かが革新的に変わっていくときには、強烈な触媒が必要だ。この映画は、その強烈な触媒となるアートの本質を描いたものと捉えました。 優れたアートとは、鑑賞者が独自に持つ知覚の糸を、意味という束に組織化する力、何かを気づかせ、目覚めさせるものだろうと考えます。 本作は、激しくアートを体現している一人の音楽家がそれぞれ固有の痛みと悲しさを抱える聖歌隊メンバの心に何かを目覚めさせ、いきいきと生きていくことへの欲望を喚起させる物語です。 【ヒロポン】さん [映画館(字幕)] 7点(2006-07-24 13:00:01) |
1.空気の分子が動くことで、なぜか僕らの耳には「音」が知覚される。それは「奇跡」とかたいそうなことではなく、単に事実としてある。しかも、この音というのは違う波長同士の重なりによって立体的な空気の振動空間を作り出せる。この映画は、そうしたフィジックスを「体感」できる映画として貴重だ。純和声だけではない。たとえぶつかり合う波長同士であっても、空間を振るわせる動力として一つになれる。比喩かもしれないが、これこそ世界の成り立ち方ではないかと思う。それに比べてキリスト教の狭量さはどうか。理論的な根拠は究極のところまでいかないともろい。人間は考え抜いたものしか信じれない。いやむしろ、感性的なよりどころしか信じれないのかもしれない。ヨーロッパが抱える「神という光が闇として機能している」という矛盾を抉っている点でも、この映画の視線は深い。 |