《改行表示》20.《ネタバレ》 原題しか見ておらず、邦題の「ある人殺しの物語り」という部分を知らずに鑑賞。 良い香りを振り撒くおしゃれな映画だと思って見たのでギャップに度肝を抜かれた事は言うまでもない。 冒頭で主人公が死刑を宣告されてからはじまり、物語は遡ってはじまる。私がこれまでみてきたこういったパターンだと、主人公に同情できるところがあり、死刑なんて可哀想悲しい、という事が多い。 しかしこちらの主人公はどんどん女性を殺すので死刑も当然で、本当に屑だと思った。 1つの猛烈な性癖のせいでそうなったのかもしれないが。 最後のローラは助かると思っていたので殺されて残念だ。 そして、死刑執行の時、まさかの死刑執行されない。そしてカオスな状態。 最後には主人公は生まれ故郷のひとたちに食べられて死ぬ。 異様な世界観で、他に類をみない。 終始グロテスクで女性はたくさん死ぬし、暗くて、爽やかさもなく、嫌いなタイプの映画であることに間違いない。ただ、似たような作品は観たことがなく、特異で唯一の映画であるため7点にしました。 【ブリーバンデカンプ】さん [インターネット(字幕)] 7点(2020-08-18 02:10:42) |
《改行表示》19.《ネタバレ》 映像は深い色合いが美しく、 音楽も映像にぴったりで素晴らしい。 特に色は、ラベンダー畑や山など自然の景色はもちろん、 美女たちの肌や髪の色も綺麗で、横たわる死体さえ一枚の絵葉書のような美しさ。 反対に、市場やゴミ溜は思わず鼻をつまみたくなるような汚さ。 公開当時さかんに宣伝してたように、映像から臭い、匂い、香り、が感じられる(ような気がする) 孤独で誰からも愛されず愛さず、香りの追求しか関心の無いグルヌイユが 狂ったように追い求める究極の香り。 香りのために女性たちを殺すことに何の躊躇もない。 彼にとって女性たちは人間ではなく、香りを抽出する花のように、ただの材料なのだから。 香りを作り出す過程の求道者のような顔。 ベン・ウィシューの、ちょっと困ったような純朴そうに見える外見がハマリ役だったと思います。 彼に関り彼を手放した途端死んでゆく人たち。 産み落として捨てようとした母親、お金目当てで子どもたちを引き取っている孤児院の院長、 残忍な皮職人の親方、調合師のマスター(ダスティン・ホフマン) 最後は、究極の香りを完成させた後、それを使って大金持ちになることもなく 貧民たちに身を投げ出して消えてしまいます。文字通り肉体が消滅する。 香りによって存在価値を見出したかったのに、結局誰も彼自身を認めなかった。 現在だけでなく過去の彼のことを知る人も誰もいないという、 つまり彼は最初から存在しなかったも同然になります。 こんなに終始一貫して孤独な主人公のお話は初めてです。 せめて、この映画を見た人は覚えておいてあげましょうかグルヌイユのことを。 そんな気にもさせられる作品でした。 【nanapino】さん [インターネット(字幕)] 7点(2018-06-10 17:50:12) |
《改行表示》18.《ネタバレ》 公開時見に行こうか迷った作品だが結局観ないまま今まで来てしまった。ずば抜けた嗅覚の持ち主のかなり変な物語で興味がわく題材だ。 前レビューの方も言及されている通り人外のものと見た方がしっくりくる程の異様な主人公。彼の生い立ちから香水作りを始めるくらいまではテンポよく語られ面白い。中盤は少し中だるみを感じた。だが全体的にはきれいにまとまった作品だと思う。終盤は驚かせる展開だが大乱交が行われていても少しもやらしさを感じないのは監督の感覚なのだろうか。女性の裸は殺される娘たちを含めて多く出てくるがきれいではあっても官能的とは感じなかった。題材のわりに意外とまともに作られすぎている感もあり違う監督で観たかった気がしないでもない。 ベン・ウィショーのナイーブそうな顔。変態性、罪の意識の無さ、汚いなりをしていてもどこか浮世ばなれしている感覚はとても良かった。楽しめたがちょっと尺が長いとは思う。 【⑨】さん [インターネット(字幕)] 7点(2016-09-21 03:08:08) |
17.《ネタバレ》 物語の後半にかけて、むしろ良くなってきた。香りが 世の中を支配するかも と期待させたが まあこんなものでしょう。劇場などでは そのうちに 香り付の映画の登場もありかも ただ 多くの人殺しは いけないね。 【ガリペロ】さん [DVD(字幕)] 7点(2015-06-29 22:15:09) |
16.《ネタバレ》 嗅覚異常の人が愛情を感じる能力が欠落している(by黒い家)という話は聞いたことがあるが、嗅覚に優れた人が愛情を感じられないとは、まさに「過ぎたるは及ばざるが如し」だ。グルヌイユは生来感情が欠落していたため、すべてを匂いとして感じ、常にそばに置いていたいと思ったのだろうし、愛情を感じたことがない故に、本能的に愛情を感じたいと渇望したのだろう。「匂い」として嗅ぎ取った美しい娘への愛情を調合した「究極・至上の香水」はその香りを感じた人の愛情を異常なまでに増幅する匂いを醸していたのではないだろうか。だが、感情を持たないグルヌイユが創ったものだけに効果は大雑把で、その「匂い」の効果は愛情ではなくその時一番感じている欲望を増幅したのではなかろうか。大概の欲望に満たされた市民は性欲を、娘を殺された父は年下のものへの強い愛情を、日々生きるか死ぬかの貧民は食欲を、異常に刺激されたのだろう。自分の生まれた貧民外で王になろうとした彼は、民衆の欲望に食い滅ぼされたのではないか。彼を「変態」という言葉で括るのは簡単だが、物語を追うごとに彼へ同調できる部分が見出せる演出は良い。それとも私が変態なだけ?及第点ということでこの点数でよろしく。 【しぇんみん】さん [DVD(吹替)] 7点(2011-02-16 23:28:11) |
15.《ネタバレ》 グルヌイユにとって香りは神だったのかもしれない。香りの為には人殺しも辞さない、罪悪感も迷いもない彼はどこか狂信者っぽいです。求めて孤独に独りで突き進む。彼の身体に「匂いがない」のは「心がない」からかも。彼の誕生は母の死を招き、彼の通った後に次々と人が死んでいく様はまるで悪魔の子のようです(さながらダミアン?;)彼が求めたのは「愛」だったのかも。しかし、心のない者が作った香りによってもたらされるのは愛ではなく、欲望でした。悪魔は人間を誘惑し、堕落させるもの。そういう意味があの「乱交シーン」にあったのかもしれません。香りによって愛も救いも得られず孤独も癒されなかった彼は、最後、最もふさわしい場所に戻っていったのではないでしょうか?悪魔がふさわしい場所は「人間の中」だった…なんて、ちょっと宗教チックに考えてみました;香り(悪臭を含む)が感じられる映像は見ごたえがありましたが、内容は非常に残酷で怖い物語でした(そこらへんのホラーより怖かった;)誰も救われないし…; 【果月】さん [DVD(吹替)] 7点(2010-09-17 14:31:45) |
14.《ネタバレ》 「香り」を映像として表現するのにはまあ成功しているのではないでしょうか。でも「香り」と言うよりも「臭い」の方が強烈な印象として残ります。いかにもヨーロッパという雰囲気の汚らしいパリが良く再現されています。主人公がいかにも風呂に入ってなくて垢まみれという感じでとてもリアルですし、パリの街中に漂う臭いを表現した映像には思わず「おえっ」としてしまいそうでした。主人公の行動など突っ込みどころはいろいろありますが、あのラストも含めてダークファンタジーとして観れば結構楽しめました。 【S&S】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-03-17 01:42:13) |
13.《ネタバレ》 題名からは、きっとお洒落でミステリアスな作風なんだろうなぁと思ってましたが、冒頭から結構グロイ描写が多くてびっくり。一人の青年が香に執りつかれ、天性を発揮し始めるまでの過程も面白い。話題になった「その香に世界は平伏す」シーンですが、ホント驚き。いったいどんな香なわけ!?どんだけ広範囲なの!?って実際、その香をかいでみたくなりましたよ。視覚・聴覚以外に及ぶ演出の巧さは体感できましたね。 【シネマブルク】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-12-03 13:20:44) |
12.《ネタバレ》 これを観てしまった自分が、何か悪い事をしてしまったかの様な感覚になる映画。きっとあの香りを嗅ぎたいと思ってしまうからだろう。観る者はしょっぱなから香りに魅せられ、中盤までほぼ完璧な内容。そして徐々にイカれ出し、最後は違う世界に飛んでいってしまう。終盤は褒められるものではないが、香りを題材にし、ここまでうまく映像化したのは素晴らしいと思うが、最初に書いた通り、鑑賞後に犯罪者感覚になるため人に薦める事が出来ない。 【オニール大佐】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-08-02 21:22:15) |
《改行表示》11.《ネタバレ》 題材を知らず鑑賞のため、ある人殺しが調香師とは・・・。興味深い題材で引き込まれた。 最後のシーンは私には期待はずれ。神がかり過ぎでもう一工夫できなかったのか。 【ご自由さん】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2008-07-25 10:09:13) |
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《改行表示》10.《ネタバレ》 将来的に映像と一緒に香りも出るような映画館、家庭用装置等あれば間違いなく 大ヒット!? 主人公の才能。本人は自覚しているのかしていないのか。本能のままに、善悪なく 欲望を満たしていくという香りサスペンス。 と、一言でいうと簡単ですが、究極の香りを求め、手に入れた結果それで満足しちゃったのか消えてしまう。何故、独裁者にならなかったのか。 やはり孤独だったからなのかな、と思いますが、人を幸せには出来るが自分は幸せになれない、という事を悟ったのか・・ 私としては、主人公が出会ってきた(世話になってきた)人たちが次々に不幸な死に方をするのがおもしろく感じました。 【かものはし】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-02-12 01:08:55) |
9.《ネタバレ》 匂いの保存方法を知って作った、何千年もの時を超えるパフュームで起こした人々の行動から愛というものを知り、プラム売りの少女に対して人として行うべきだったものに気づいた。パフューム(時を越えて人に影響を与える象徴)は作れるのに、人・職人としてパフュームになれないことに気づいた彼は、生まれてこなければよかったと自らが産まれた場所で無に還ることを選んだ。ということは何となく分かるんだけど、作品として驚きや感動が無かったので-3点。 【ハラミ定食】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-01-20 02:54:49) |
《改行表示》8.《ネタバレ》 これは、あるコレクターの物語でした。コレクターは異常者だとは言われません。蝶を殺して標本にする人間には蝶を殺すことに対する罪悪感はありませんし、動物を殺しまくってそれを剥製にするコレクターはそれが異常だという認識はない。しかしジャンのように人間を殺して収集欲を満たそうとすると犯罪になります。でも動物のコレクターも、本当はとんでもない異常な行為なんですよね。死体を収集するのだから当然です。ジャンよりも残酷かもしれません。考え方はジャンと同じなのに、一方は正常者で、もう一方は異常者と言われる。その理由は人間がこの世の中で一番偉いという価値観に基づいているからです。ジャンは異常者ではなく異邦人でした。主人公のジャンは誰とも人間関係を築くことができなかった。そのために他人を人間だと思う機能が麻痺していた。だからジャンにとって人間は美しい蝶と同じでした。彼は罪の意識はなかった。だからなぜ自分が民衆から裁かれるのか分からなかったはずです。彼はコレクターでした。 【花守湖】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-01-19 17:58:55) |
7.《ネタバレ》 映像と音楽に酔いしれる映画ですね。主人公の少年が、パフュームを残すという狂気に一貫して取りつかれているのも物語の異常な美しさを助長します。ダスティン・ホフマン演じる変わった香水店店主がすぐにいなくなってしまうのは残念でしたが、アラン・リックマンの登場が後半の物語をひきしめます。 【カワウソの聞耳】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-01-10 18:56:01) |
6.やっぱり殺して香を閉じ込めるっつー設定には無理があると思うんです。人間って死んだ瞬間から、もう腐敗が始まってしまうから、その人本来の香っつーのに腐敗臭が混じると思うんですよん。つまり、あの完璧主義の主人公にはソコが堪えられないのではないかと・・・。それに殴ったりして殺したら血の匂いも混じりますし・・・。とか言う正論はどーでもいいくら芸術的ではありました。一番良いなって思ったのは、登場してくる人達があまりダラダラと話さないこと。主人公でさえ殆ど話さない。だからこそ、余裕をもって音響や映像とか他のコトがちゃんと観ることができました。 【さら】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-12-04 10:42:53) |
《改行表示》5.《ネタバレ》 映像から匂いがあふれる様な、不思議な映画でした。 行動に大きな影響与える匂いがどのようなものなのか興味を持ちましたが、 最後の一滴が、、、。 覆いをして匂いの抽出をしていましたが、「匂いなし」にするところが 映画として綺麗だなと思いました。 【たこげるげ】さん [DVD(吹替)] 7点(2007-09-16 01:30:45) |
4.匂いをテーマにしたファンタジー映画に思えました。想像してたのはリアルな殺人鬼のサスペンス映画でしたが、全然違ってて、不思議で邪悪なファンタジー映画みたいな感じです。こんな映画は観たことありそーで今までになかったかも。映画を観終わった後も、色々な匂いに興味を持たせてくれて、匂いって普段全然意識してないから、色々匂ってみたい、匂いを脳で理解したいって気持ちにさせてくれて、思わずポップコーンをクンクン、でも、やっぱりポップコーンの匂いでした。あ、映画の方は最初から最後までずっと集中できるほど楽しめましたが、後で冷静におもしろさを判断すると、おもしろいんだけど後一歩ってなりました。 【なにわ君】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-09-07 03:28:59) |
《改行表示》3.《ネタバレ》 この物語、副題には『ある人殺しの物語』とあるが、実はそこに「物語」がない。主人公は匂いをもたない人間であり、それは同時に自己が希薄で「こころ」がないことを示す。故に、彼には自分のための物語、自己と他者を繋ぐ物語が一切ない。映画は、主人公が次々と殺人を犯していくのと同時に、13人目の被害者となる女性の日常をも映し、その接点ともいうべき二人の邂逅の過程をドラマチックに描いていくが、その邂逅自体のドラマ性をあっさりと否定してみせる。 では、彼は何を目指していたのだろうか?彼は世界を動かしてみせる。その現実性うんぬんは別にして、非物語的で即物的な「パフューム」によって人心を把握する(「愛情」ともいうべき)幻想を顕現してみせるのである。 彼は「パフューム」によって世界を動かすが、最終的にそれを受け入れることができない自分を発見するに至る。それこそがこの映画の救いなのであろうか。しかし、主人公が群集を前にして流す「涙」に僕は全くと言っていいほどリアリティを感じなかった。僕らの世は無知にあえぐ18世紀のパリではない。情報過多の21世紀の日本である。同じような非物語で貫かれた世界でありながら、そのバックグラウンドとなるべき現実感には決定的な違いがあるような気がした。 主人公が流す涙のリアリティをそれを誰もが理解しないという現代性に通じる現実によって否定してみせる。もし、そうであれば、僕はこの映画のすごさを感じるが、その辺りの意図はよく分からない。いずれにしろ、そういった構造分析的な意匠では僕らの「こころ」を響かすことができないことだけは確かである。 最近、東浩紀の『ゲーム的リアリズムの誕生』という本を読んで、同じように「どんより」とした気持ちになったが、彼が提唱する「物語の死」とか「物語の衰退」と呼ばれるポストモダン的な状況やデータベース化した環境下での新しいコミュニケーション社会とそれを前提とせざるを得ない新しい批評体系というのはとても理解できるが、そこには全くと言っていいほど、「こころ」に響くものがない。 この「どんより」感はもう自明であり、仕方のないものなのかもしれないが、僕らはいつかその「どんより」感の中でもゲーム的リアリズムによって「こころ」をふるわせる日がくるのであろうか。そういうことを想起すると、また「どんより」としてくる。。。 【onomichi】さん [映画館(字幕)] 7点(2007-04-20 22:55:10) |
2.延々と主人公の心情を読み上げるナレーションにはちょっと中だるみしなくもないが、全体としてはよくまとまり、上映時間の長さを感じさせない。主人公ジャン=バティスト演じるベン・ウィショーのギスギスとした演技はなかなかのものだったと思う。……映画にすることの出来る視覚でも聴覚でもなく、嗅覚をいかに表現しているかと期待したが、その部分に関してはちょっと期待はずれ。冒頭のグロい映像や花畑だけでなく、もう少し新しい表現をしているかと思ったのだが。全体としてはドキュメンタリータッチな物語だけで、個人的には「香り」というテーマには今一歩及んでいないように思う。……香りの追求と道徳の狭間で苦悩した主人公と、その結果の人殺しの選択、という筋書きを思い描いていたが、最初からいきなり人殺しに走り、我が目的の材料のためだけに躊躇なくエゴをむき出すバティストには、さっぱり共感できなかった。それでも映像のクオリティには見応えがあったし、まず満足。オリバー・ツイストにもあったけれど、昔のヨーロッパって、あんなに不潔で汚かったのかな。 【six-coin】さん [映画館(字幕)] 7点(2007-03-12 01:34:29) |
《改行表示》1.全世界1500万部の売り上げを記録した名作の映画化です。 公開される前から楽しみで楽しみで、 やっと公開されたものの誰も一緒に見に行ってくれなかったので、 仕方なく一人で見てきました。 はじめに注意点として、 こういう異常者を取り扱った作品は人を選びます。 特に「死体見ただけで気持ち悪くなる」という人は見に行かない方が良いと思います。 序盤から中盤の流れは「羊たちの沈黙」シリーズが好きな人ならはまるはず。 終盤というか、ラストがいまいちだったのがちょっと。 でも全体として期待を裏切らずに面白かったので7点。 分析とか考察については世界中のプロフェッショナルが行ってるのでここでは述べません。 グロテスクさにとらわれない人には一見の価値があると思います。 【らべ】さん [映画館(字幕)] 7点(2007-03-05 17:52:17) |