9.《ネタバレ》 細菌感染者をとにかく邪魔だから関係のないようにポーランドへ送っちゃえと、
細菌を極秘開発していた某国の身勝手さから大事件に・・
カサンドラクロスという国境に架かる鉄橋は戦後から閉鎖され安全性は絶対不安。
ポーランドの収容所へ細菌感染した列車の乗客全員!を送り込み隔離するという計画は、
あくまでも極秘に行われなければもともとこの細菌研究というものは非常に危険な兵器にもなる。
バート・ランカスターが命令を受けていた相手は最後までわからないようにはなっているものの、
あきらかに大統領クラスのものでフィクションとはいえ合衆国の身勝手さ、
お国の役人の融通のなさがパニック時にどういう二次災害を起こすかという恐怖。
このシリアスである社会風刺ドラマにアクションシーンやコメディをふんだんに入れ、
娯楽半分シリアス半分となかなか観やすく面白い作品ではある。
特によかったのが、老人役のリー・ストラスバーグ。
ほっとさせる手品を見せるなんのことない役なんですが作品にいっそう社会性を持たせている。
ポーランドの収容所に連れてゆかれると聞いたとたん、
死んだ妻の話をし行きたくないと言いますが・・
あの鉄橋を越えた先には何があるのか想像がつきました。
現代のパニックになったときに過去のエピソードもわかるという、
行き着かない場所への恐怖がこの老人によってよくわかります。
脱走しようとする感染者(乗客)は銃殺してもよいと命令を受ける軍隊。
まるでSWのストームトゥールーパーのごとく武装した兵士たち。
細菌は「アンドロメダ」のようにあるきっかけで自己消滅・・
しかし軍隊には融通はきかない・・
細菌よりも怖いのが国という傲慢な兵器。
壊れるであろうポーランドに架かる橋は近づいてくる・・
特撮も今のアクションに比べると申し訳ないものですが、
テンポもよいし二転三転するので面白いです。
トンネルに向かうヘリと列車のアクションなんて今ではよくある、
「MIP」みたいなのですがこの映画を見てください。
音楽が大袈裟でなんか好きだなぁ~と調べてみたら、
ジェリー・ゴールドスミスなんですね。
「オーメン」「エイリアン」・・なるほど。