34.《ネタバレ》 小人の少女アリエッティと心臓の手術を控えて療養中の少年翔との出会いと別れ。
ただそれだけの物語だけど、二人がピュアだから心が洗われるような気持ちで見ていました。
神木君の声は優し気で誠実そうで、一見ひ弱だけど賢くて行動力もある翔にピッタリでした。
志田未来ちゃんの声も、意志が強くて真っ直ぐなアリエッティにハマってました。
借りぐらしの生活の描写が面白かったです。何でも自作出来そうだけど、砂糖やティッシュやビスケットは借りてくる。
まぁ、お手伝いのハルさんが言ったように、借りると言うか盗んではいるんですが、人間にとってはほんの微量なもので盗まれたうちに入らないので、それくらいいいかなという程度。
それにしても、本当に「借り」や外出は小人にとって命がけの大冒険。
人間だけでなく、小動物や鳥など外敵もいっぱい。
「君たちは絶滅危惧種だ」という翔に対して「私たちは滅んだりしない」と毅然と声を張るアリエッティ。
アリエッティは、危険ではない人間もいると知ったし、翔もアリエッティと出会ったことで生きる希望を持つ。
小人と人間だけど、心が通い合うことは出来る。
これは、例えば人種や性別や何か他の違いがあったとしても、絆は結べるということでもあるのでしょうか。
個人的には、二人が恋人同士になってもおかしくないと思うけど、この作品はそういうことも無く、人間に見られた一家は引越を余儀なくされるのみ。
ハルさんの行動も、何故そうしたのか、一家を捕まえたらどうしたかったのか分からないので、登場人物の中でただ一人の悪役としか思えないまま。
あの素晴らしドールハウスも、使ったのがキッチンだけじゃもったいない。
引越前に、あのドールハウスで皆でお別れパーティーとか、そういうの見たかったなと思いました。
淡々とし過ぎてて物足りないのは確かですが、奇麗な画とアリエッティが可愛いのと、神木君と志田ちゃんの声が良かったので見て良かったです。