7.《ネタバレ》 いやあ、面白かった。サスペンス映画として
は近年にない傑作でしたね。
展開の殆どがPC上で見せられるという奇をてらっただけの映画
かと思ったら、ストーリーも非常に練られていて最後までハラ
ハラドキドキの連続で、あっと言わせる最後のどんでん返しも
なかなかのもので予測できませんでした。
湖で車が発見された後の世の中の人々の反応(疎遠だったクラス
メートが皆親友面を始める、家庭に問題があったのではとか、
父親が犯人ではないかという無責任な発言や書き込みなど)もま
さに実際に社会で起きていることでリアリティが感じられました。
しかも観る側にはちゃんとさりげなくあちこちで手掛かりを与え
ているのも憎いですね。
====以下重要なネタバレあり、未鑑賞の人は要注意====
最初の頃に中学の連絡簿を調べた時に、「ロバートは離婚した家庭
で親が警察官、マーゴットに惚れたことがあった」という記載
を提示していたのですけど、まさかそれが伏線だったとは!父親が
独自に娘の車を発見してしまった時の刑事の慌てぶりも、そういう
背景があったからだったのかと思えます。自白して自殺したとされ
る男がちゃんと写真に並んで映っていたのも気に留めませんでした。
今から3年前の映画なので、世の中はさらに進んでいるだろうし、
ネット世代の絡んだ事件の捜査は、刑事が街中で聞き込みをして情報
を集めるのではなく、益々ネット上で情報を収集するのが重要になって
いるのでしょう。しかし、テレビの刑事ものでは相変わらずネットなど
ほとんど登場しませんので、むしろこの映画の方がリアリティが
感じられます。
それにしてもこの映画を映画館で見たら、PC上の文字を読むために
スクリーンをひたすら凝視し続けなければならず、とてもついてい
けなかったのではと思います。家でビデオやPC上で何度も見なおし
ながら鑑賞するべき映画ですね。