7.《ネタバレ》 サム・ロックウェルの弁護士ぶりが見たかったんです、期待は外れてなかったです。
やっぱりイーストウッド監督の映画は無駄がないんですよね、スルスルと話は進み場面も変わる。
爆発シーンの唐突さがリアルで、今か今かみたいな演出がない分ショッキングです。
この映画、共感する人物とイライラする人物がきれいにきっちり分かれていて、
下瞼のくっきりアイラインが不潔さと不誠実さを倍増させる女記者はもちろんなんですが、
リチャード・ジュエルは完全にイライラ側です。
善人なんですよ、でもちょっと鬱陶しい人。正義感はあるんだけどそのために学んだ知識を得意げに
喋るわ、喋るわ。「もう喋るなっつーの!!」と何度思ったか。
爆弾テロ犯にされそうになってるのに危機感をあんまり感じなくて、
FBIの捜査手順やその理屈に理解を示すような態度だし。
私なんかお母さんのタッパーに油性ペンで番号書いたまま返してきたことにすら
腹が立ってしょうがなかったですけど。
無実であるのに有罪であるかのごとく扱われるリチャードに対して同情、共感されにくいような描き方に技を感じます。しかし、リチャードのその知識、知性がFBIを言い負かすシーンもあって手落ち無しなんですね。
ストレートで手堅いという映画なんですけど、人物キャラはなかなか一筋縄ではいかないといった印象です。
前からなんとなく感じてたんですけど、サム・ロックウェルとゲイリー・オールドマンてなんか似てる。