《改行表示》42.《ネタバレ》 砂浜に置かれたピアノ。 このアイデアだけでも映画として充分成立している気がする。 ホリー・ハンターはこういうけだもののような女性を演じさせると、他の追随を許さない怪しさが魅力だ。ハーヴェイ・カイテルの武骨さは今更説明の必要がなく、その個性と個性が惹かれあうのは、多分理屈を超えている。 私が一つ解せなかったのは、なぜ娘は母を売るような行為に及んだのか、ということ。 それまでの母娘の関係性からはちょっと予想できない行動だった。 それも、ピアニストの指を切り落とす、という画が先行して、無理やりこじつけた結果かもしれないが。 【roadster316】さん [インターネット(字幕)] 7点(2023-10-18 16:18:32) (良:1票) |
《改行表示》41.《ネタバレ》 劇場公開前に出たマイケル・ナイマンのアルバムがすごくて観た口で、音楽は素晴らしいです。 けど他のナイマン作曲のピーター・グリーナウェイ作品なんかを見るとしばしば思うのですが曲と映像が合ってるかというと微妙な押し付けがましい感じもあったりするのがアレだったりはするんですが。 話は、私は結構好きなんですけど、うちの人は子供がぶち切れるところが感情的に受け入れられなかったみたいで、そこがダメなんだと思ったりなんかしました。 作品の題材とかテーマについては、時代背景がわかってないとわからんだろうなという所はあります。 1993年て日本ではまだ男女雇用均等法がまともに適用されてなかった頃の女性差別バリバリだった頃で、女性に自発的な意思などないと思われてたし、そもそも女性が性欲を持ってるなんて許されんことだ、なんていう風に認識されてた時代の話、さらに話の設定はもう一昔前になってて自由恋愛とかありえない、という状況で徹底的に反逆する主人公、てところかと思います。 あの何だろう。ちょっと前にアカデミーを獲った「シェイプ・オブ・ウォーター」で、言葉の話せない主人公が、言葉の話せる普通の人よりずっとある種、饒舌で悪態をつきまくってるという演出がありましたが、その先駆けとなったっていうか正直ネタとしてパクッてんじゃないのか、と言いたくなるようなところもあったりします。で、言葉を話すことができない代わりに言葉以上に饒舌なピアノの音が鳴るっていうわけですよ。 そんな感じで私的には好きな作品ですが、最後に水中に浮かぶ主人公の亡骸(イメージ)は、ちょっとグロテスクでどうだかと思ったりする作品だったりします。 そんなところで。 【sim】さん [映画館(字幕)] 7点(2023-04-25 22:49:20) |
《改行表示》40.《ネタバレ》 面白い映画だったとは思うのですが、じゃあ細かいトコまでチャンと理解・納得しとんのか?と言われると、そーいうワケでは全くない…としか言えないのですよね。まあゆーて、恋愛なんてある種「理屈じゃない」とは常々思ってるので、コレもコレはコレとして観てゆくしかねーのかな…とは思いますケドね(個人的には、別にソコはそんなに気になっては居ないのですよね)。 前述どおり、その「意味」は確かに好く分からないのだケド、その「観る価値」という点では私自身にとってはごく明確なモノがひとつ在ったのでして、ナニかとゆーと個人的には今作は、シンプルに「ツンデレ」を愛でる映画だったのかな…と思ってますね(もはや死語かも知れませんが)。まあ、ツンデレとゆーよりはツン「エロ」なのかも知れませんが、だから尚更「ツン」が「デレ」るコトに理由など要らない…と思うのでして、またその相異なる二つの要素の共存が産む趣き…という観点からは当然、ニュージーランドのジャングルに降り立った「世紀のツンツン女」ホリー・ハンターとゆーのもシンプルにごく素晴らしいアイデアだったと思いますし、或いは「原始」と「芸術」というトコロのコラボレーションとてまたごく「オツ」なモノだったのではねーでしょーか。重ねて、まあまあ好い映画だったんではねーかな…と思いますね。 【Yuki2Invy】さん [インターネット(字幕)] 7点(2023-04-25 20:57:39) |
【黒ネコ】さん [DVD(吹替)] 7点(2014-09-05 19:59:55) |
38.音楽、映像、雰囲気は一級品。ストーリーは心が女性な人向き。メロドラマだな。でも結構好き。やっぱり支配されるより共存したいもんね、女だもん。 【movie海馬】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2012-08-03 22:38:52) |
37.入植時代のニュージーランドを舞台にした独特な雰囲気を持つ愛憎劇。マイケル・ナイマンの音楽が素晴らしい。始まってからすぐ浜辺から家に行く間に道が悪く立ち往生しているシーン、マリオ族が言う台詞が日本語で「待て待て、あんなとこは生きて通れねえ」に聞こえることでも記憶に残る。驚くべきはその言葉があまりにもそのシーンにあっていたということ。 【きーとん】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-09-26 11:12:29) (良:1票) |
《改行表示》36.《ネタバレ》 エイダは何故喋らなくなったのか?映画では明らかにされていませんが、ピアノに固執することと何か関係がありそうです。 遠方のどんな男性か分からないのに嫁がせるエイダの家族ってどうよ?やっかいばらいしたかったから?エイダはうとまれる存在だったのではないでしょうか? サム・ニール演じる旦那はエイダの家族と同じような態度だったのかもしれない。自分のピアノに対する執着を分かってない、とか。 ある小説で『親に売られた売春婦の少女が、自分に惹かれている男性が自分に手を出さないのは何故か分からない。別れる時、お世話になったお礼に少女はベッドに誘うが、男性は「君が好きだから私を愛していない君を抱くことはできない」と言う。少女にとって自分の気持ちを大切にされたのは初めてだった』 エイダがベインズに惚れた理由もこれではないでしょうか?初めて『自分の欲望より私の気持ちを優先させてくれた男性』だったから。この時代の女性にとっては稀有な出来事だったと思います。 激しいストーリーと濡れ場に嫌悪を抱く人も多いとは思いますが、「悪人」が出ていないところなど決して劣った脚本ではないと思います。が、昼ドラ並に落ちそうな物語が美しい音楽と情景に救われていることは確か。 ヒストリカル・ロマンス(アダルト版)と観るのがいのかも。 【果月】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-09-20 11:42:53) |
35.《ネタバレ》 当時付き合い始めたばかりの彼女と鑑賞した。(ちなみに本作の前は「美女と野獣」)想定外のダークな大人の展開に戸惑い、鑑賞前に最低限の予備知識は得ておくべきと痛感した。 映画自体はサム・二ール、ハーヴェイ・カイテル共に不器用な男を好演しており、実力派俳優陣の演技合戦炸裂という感じで大満足だった。 尚、この映画が良い方向に影響したのか一緒に鑑賞した彼女は今、私の奥さんです。 【たくわん】さん [映画館(字幕)] 7点(2009-09-29 20:54:49) |
34.恋愛・ロマンスものはちょっと苦手だったのですが、これは音楽と映像が美しく、クライマックスシーンも非常に感動的でした。 【あんぐれーず】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2007-01-27 11:30:05) |
33.女の怖さを見たような気がします。しかし、いくら愛に理屈は要らないとはいえ、何故ベインズに心惹かれていったのかについては全く理解不能でした。テーマ曲を含む音楽は確かに秀逸です。今度楽譜を入手して弾いてみたいと思いました。 |
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32.ニュージーランドって新鮮だし、独特の話でいい。 |
31.そんなことを映画にするのってくらい他愛ないストーリーなのにぞくぞくっとする程官能的で情熱的な映画です。やはりこの映画は音楽に支えられてるのも大きい。どんな電話でも着メロの音が良く聞こえます。 【さら】さん [映画館(字幕)] 7点(2005-03-30 14:35:32) |
30.エイダがどうして発声を放棄していたのか…本当の理由は見えて来ない。でも、作中でエイダの失ったモノ1つ1つが、彼女がそれまで避けていたであろう現実を見つめ直す機会を与えた。この映画は恋愛を通しての彼女の再生とか、新しい生き方とか…とにかく第一歩を描いている。私はそんな風に思えたけど、もっと様々な解釈のアル映画かも。男性の視点から観たらどうなんだろう?でも、知人に薦める勇気は………笑。ピアノ曲良いですね。エンドロールでは他楽器の演奏でしたが、ピアノの旋律はやはり素敵♪ 【SAEKO】さん 7点(2005-02-21 03:25:32) |
《改行表示》29.《ネタバレ》 ピアノはふたを開けて鍵盤を叩けばすぐに音が出る。 ピアノ=エイダ、鍵盤=指。 「私というピアノをうまく弾きこなすピアニストは誰?」ってことを綺麗な音楽と印象的な映像、原住民の生活とともに描いた作品。 中身はとっても薄い。 【くまぱんだ】さん 7点(2004-12-12 20:50:44) |
28.ホリー・ハンターの、ほとんど目だけですべての心の動きを表現しきった演技(それも、もともと感情を外に出さない人物という設定なので、非常に難易度が高いのだが)が素晴らしい。これだけでも見る価値ありです。それだけなら単にどろどろじめじめした話で終わってしまうのだが(それもそれで結構好きなのだが)、音楽も映像も的確な表現で全体として1つの世界を形成しているのが良い。残念なのは、夫と不倫相手の人物設定にほとんど差異が見られなかったこと。 【Olias】さん [映画館(字幕)] 7点(2004-08-01 01:47:11) |
27.《ネタバレ》 映画始まって早々、映像のひとつひとつが、入念に作り上げられ、まるで絵画のよう。う~む、このペースでこんな凝った映像が脈絡なく続いていったら、さすがに疲れるだろうな~、と映画のバランスに対する不安がチラとよぎったのですが・・・そんな心配は無用でした。冒頭からのハイテンションな「映像美」に対して、映画の進行とともに、ストーリーも映像も過激なものへ展開、ガンガンにテンションを高めていく! 例によって間男されるサム・ニール、妻の浮気相手がレッドフォードならおそらく大目に見るのだろうが(←『モンタナ~』)、さすがにハーヴェイ・カイテルではとても看過できない。そうだ、怒って当然、たまには怒れよ!・・・いやイカン、それはやりすぎだっての。というわけでですね、意外にも意外と盛り上がる映画でした(笑)。さて、タイトルはThe Pianoなんですけども、その割に肝心のピアノの存在感がイマイチ(例えば『殺意の夏』での自動ピアノの方が余程印象的だった気が)、むしろきっぱり割り切ったような下世話な邦題が、何となく懐かしいほろ苦さのようなものも感じさせ、なかなかナイスであります(褒めてる訳でも貶してる訳でもなく、だた意味も無く感心しているのです)。存在感の薄いまま、ついにピアノは海に落とされ、ええい、腹イセにホリー・ハンターまで道連れだ!と思いきや、難なく逃げられ、ひとり海底に沈むピアノ哀れ。ドロドロ恋愛ものとは確かに一線を画す映画ではありますが、もしピアノが映画の強固な求心力たり得ていれば、一線どころか二線も三線も画していたのではないでしょうか。救いはナイマンの音楽、これは印象的、というよりは、自分で弾いてみたくなるんだな。ピアノの心得などまるっきり無い私ですら、何とか弾いてみようと無駄な努力したもんね(当然無理だった)。ナイマンの音楽はやっぱり一般映画よりはグリーナウェイ作品に向いてそうな気もしますが、本作の音楽を元にしたピアノ協奏曲なんか実は結構好きだったりします(ああ、何となく恥ずかしい)。いや~。それにしても覗かれやすい家であることよ。 【鱗歌】さん 7点(2004-04-24 00:30:45) (良:1票) |
26.濃くて見終わった後にどっぷり疲れる映画でした。主人公のエイダに共感することはできなかったけど、アンナ・パキンはうまいと思いました。 【ジョナサン★】さん 7点(2004-03-16 16:46:53) |
【モチキチ】さん 7点(2004-03-13 00:17:44) |
24.《ネタバレ》 ホリー・ハンターがこんなにキレイな人だったとは今まで気付きませんでした。音楽がとにかく素晴らしくて耳に残りました。ピアノのキーを取り引きに使うというのに共感できず、何だか悶々として見ていたのですが、それでも余韻の残るストーリーでした。 【無雲】さん 7点(2004-03-10 00:15:03) |
《改行表示》23.《ネタバレ》 理解は出来たけれども、ちょっと後味が悪かったのでこの点。 文化的な環境・洗練された空気の中で生まれ育ち、おそらく不倫の末未婚の母になったはじけ気味のヒロインが、じめじめした新天地で俗と野蛮と保守に触れる冒頭は不安に満ちている。ヒロインの夫は共感できる愛すべき人物に描かれてはいるが、・ヒロインの心ともいえるピアノを浜に放置・勝手に売る、この2つの所行により、他ならぬヒロインに愛される資格を失う。ところで、いかにも胡散臭い英国人通訳がピアノを購入し、レッスンの名目でヒロインを自宅に通わせたのは、最初は愛でも肉欲でもなく、体の一部を不当に奪われた彼女への同情ではなかったか。いずれにしろ、ヒロインは彼のおかげで再びピアノを得た。ピアノを取り戻すためならエーンヤコーラ。この後、ピアノ>allだった彼女が愛>ピアノに変化する経緯をあれこれ言うのは野暮。結婚したものの全く愛されない夫は哀れだが、ピアノ=妻の心を「え、俺いらないもん」で捨てたり売ったりできる価値観では、ヒロインとは所詮相容れない。 【味噌】さん 7点(2004-03-04 17:58:45) |